NTTファシリティーズの実証にみる新サービス普及におけるNudge(ナッジ)の使い方
● 「IoTとAI普及の鍵はNudge(ナッジ)」、NTTファシリティーズが実証
2018/01/18のIT Proに表記の記事が掲載されていました。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/011802980/?rt=nocnt
(引用は「」でくくります。 改行は筆者挿入、以下同様)
「 NTTファシリティーズは2018年1月18日、オフィスビルなどにおけるIoT(インターネット・オブ・シングズ)とAI(人工知能)を活用した最新技術を紹介するイベント「NTTファシリティーズR&Dフォーラム」を開催した。
(中略)
IoTやAIの社会普及の促進には、「Nudge(ナッジ)」と呼ぶ概念が重要と訴える。ナッジは行動経済学の理論的発展に貢献したことでノーベル経済学賞を受賞した、米シカゴ大学のリチャード・セイラー教授らが提唱する概念だ。「肘で軽くつつく」という意味の英単語で、肘で軽くつつくように相手に適切な選択を促したり、危険を回避させたりする仕掛けや手法を指す。
自ら行動するよう促すことでAIへの不信感を払拭
ナッジを重視するのは、IoTによって蓄積したデータからAIが合理的な解を導き出したとしても、「人間は非合理な存在なので、AIの提案通り行動するとは限らない」(藁谷部長)からだ。AIの提案を人が受け入れやすいように、そっと行動を促すナッジの手法をシステムに組み込むことが大切になるという。」
NTTファシリティーズでは、同社のイノベーションセンターでの空調管理におけるAI・IoTの利用を例にとってにおいて、「Nudge(ナッジ)」(相手に適切な選択や危険の回避を促す仕掛け・手法」が、AIからの提案を受け容れやすくするうえで重要な役割を果たすと提案しています。
● エネルギー効率化におけるナッジの利用
ナッジの応用については、オラクルに買収されたOPower(オーパワー)が、家庭の省エネレポートなどの形でナッジを利用した省エネアドバイスサービスを行っていた例などが有名かと思います。
「行動経済学 第6巻 (2013)第7回大会プロシーディングス直感への訴えかけを狙って省エネルギー・節電を促進する情報提供方策の近年の動向」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbef/6/0/6_97/_pdf
「電力中央研究所報告 省エネルギー・節電促進策のための情報提供における「ナッジ」の活用 」
http://criepi.denken.or.jp/jp/kenkikaku/report/leaflet/Y12035.pdf
完全な自動化や強制的な指示ではなく、ユーザーに自発的な行動を促すことで、顧客の行動の変化(行動変容)と、顧客満足の向上(抵抗感の払拭)を効果的に行うもので、色々な場面で応用できる手法ですね。
● 新技術、新サービスの普及におけるナッジの適用
AI・IoTのように、ブラックボックスに近い新規技術やそれらを用いた新サービスというのは、顧客側にとっては馴染みにくく、警戒感などをもたれやすい側面があることは否定できないかと思います。
完全な自動化・お任せが望まれるサービス・場面と、多少なりとも自分が判断に関与したいというサービス・場面の切り分けは今後も必要ですね。
自社の商品の提供方法、サービスがどちらに入るものなのか、ユーザーの自己判断が望まれる場合は、ナッジなどの手法をどのように活用するかを考えていくうえで、知的資産経営報告書の価値創造ストーリーは、有効なツールになるかと思います。
さらに、自社の人的資産である人材の育成・モチベーションアップや、関係資産である取引先等との良好な関係の維持・強化においても、このナッジの手法は応用が可能と考える次第です。
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