学童保育サービスにみる、ICTによるプレーヤー間の連携支援
【今日のポイント】
保育園から小学校まで子供を対象とした施設で働く方々をICTでサポートするドコモンの学童保育サービスのリリース。
「支援される人の周辺を支援する」という視点と「関係するプレーヤー間の連携を円滑化する」という視点の重要性・有効性が窺える事例かと思います。
● 保育ICTのコドモン、学童保育専用サービスを開発
2019/8/13に、保育園・幼稚園・学童・スクール・小学校などのこども施設で働く先生の毎日をサポートするICTシステム「CoDMON(以下コドモン)」を提供する株式会社コドモンは表記のリリースを公表しました。
https://blog.codmon.com/2178/
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『2019年8月より、学童 保育事業者に向けた各種機能を順次提供することをお知らせします。
コドモンは、現在全国約3500園、全国11の自治体に導入されている保育園・幼稚園向けのICTシステムです。保育現場の声を徹底的に反映させ、使いやすさを日々アップデートしているコドモンは、一部学童保育にもすでに導入されており、多数の現場の声、ご要望をいただいていました。
今回の「学童保育専用サービス」は現場の要望に丁寧に寄り添い、学童保育特有の運営方法に即した機能を作り上げた、新規開発のサービスです。(中略)
コドモンの「学童保育専用サービス」は、現場で求められている、児童毎の登降所時刻の管理や保護者へのアプリ通知、急な欠席や時間変更の連絡など、日々の煩雑な業務をICTを使って自動化します。事務的な時間を削減しつつ、児童の安全をしっかりと確保することで、学童保育運営における質の向上、健全化をサポートします。』
同サービスのサイトはこちら
保育に関わる人々の連携を自動化し、円滑化するサービス。高齢者などの介護支援にも適用出来るものではと思います。
● 支援される人の周辺を支援する
今回のサービスは、学童というお子さんを中心にしつつ、保護者や保育園、学校などの周囲の連携を自動化する事で、支援する側の事務的な負担を低減し、学童の支援の質の向上を図るものであり、
スマートフォンのように、保護者が普段から使っている通信デバイスと、双方向で得られるデータの整理に自動化を最大限に活用する事で、シームレスな連携と管理の省力化を図っている事例の一つです。
以前のトピックス
『RPA、介護ロボットにみる「支援する相手の周り」を考える重要性』
や、
『AI・IoT活用の介護施設にみる生産性向上のポイント>大きく考えて小さく絞る』
で、
介護される方はもちろんのこと、介護する方やその周辺も含めてトータルソリューションで支援することの重要性や、
現場を主導する看護師に焦点を当てた合理化の中でAI・IoTと人の役割分担を考え、生産性向上を実現している事例をご紹介しましたが、
生産性向上に関わるプレーヤー間の連携を支援する視点でのAI・ICT・IoTの活用が今後、各方面で進んでいく事が窺えます。
● 社内外プレーヤー間の連携に目を向ける
介護に限らず、他の分野でのAI・IoT導入による生産性向上においても、現場の重要性はもちろんのこと、導入および、メンテナンスや維持・更新管理を行う部門や担当者の支援も非常に重要となってきます。
その点から、今回のような児童保育や高齢者介護の事例は、多分野でも参考になるところは多いかと思います。
知的資産経営で言えば、社外の取引先などの関係資産と、営業担当など社内のプレーヤーである人的資産全体を統合して活用し、事業を進めるための仕組み・システムという構造資産の3つを連携させて、事業の構想を描き、計画に反映することに相当してきます。
今回の記事は、既に製造業などでは以前から行なっていた情報共有による生産管理の手法を他分野に適用したと例とも言えるかと思いますが、
多種多様なニーズを持つ保護者や管理が難しい年少の児童、マネジメントの専門家ではない学童保育側などを円滑に連携させる仕組みやその考え方は、
今までの知見や経験だけでは対応が困難な多様化、複雑化する事業環境への対応や人材不足への対応という課題においては、既に生産性向上に取り組んでいる企業でも参考なるのではないかと、お勧めする次第です。
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