米国の寒波報道に考える非日常の顧客接点の確保方法

寒波 厳冬

【今日のポイント】

防災において「災害の発生を前提とした対応(減災)」が求められており、そこでは有事の情報を、スマートフォンなど日常的に使っている情報デバイスから提供することも重要となっています。

この「日常からのユーザー接点確保」というのは、顧客の購買機会を逃さないという視点からは、防災に限らず、事業一般に通じるものですね。

極循環の経済的影響

2019/2/1215分ビジネス英語に表記のトピックスが掲載されていました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『米国は悪天候に見舞われている。寒波と雪が米国の多くの場所を覆っている。この寒波は極循環と呼ばれている。一部の地域では、気温は北極より低くなる。
これは何百万人もの人々や経済に影響を与えている。オフィスやビジネスは閉鎖された。飛行機や鉄道サービスにさえ打撃を与えた。学校、大学、美術館は機能していない。これらすべては、大きな経済損失につながっており、米経済のすべての分野に悪影響を及ぼしている。保険金請求は、氷に関する洪水による損害で増加した。企業は飛行機の欠航に対して支払いをしなければならない。
2014年に極循環米国を襲い、約50億ドルの損失が発生した。これは生産性の損失、暖房費の増加、消費の減少が主名原因である。2019年も状況が繰り返される。AccuWeatherによると、その損失は約140億ドルになるという。』

米国の今回の寒波による経済損失は、約140億ドル15000億円以上との予測も出ているとの事ですので、今でも天災の影響は大きいことが窺われます。
とはいえ、防災技術や災害情報提供の環境は進んでおり、また防災関連ビジネスにはポジティブな影響があるので、実際の損失はどの程度になるのかは今後見ておく必要があるとも感じます。

 

災害が社会インフラと情報プラットフォーマーに及ぼす影響

今回の記事や、以前の災害に関するニュースから、

「災害を機会とした社会インフラの充実と情報プラットフォーマーの存在感の拡大」との流れを感じました。

2012年のハリケーンサンディの時に、エネルギー分野の防災やBCP関連で、ニューヨークの防災拠点での分散型エネルギーシステムについて少し調べたことがありますが、

集中型発電所が豪雨による浸水で停止した際に、ニューヨークの自家発電装置を備えた大学や病院が防災拠点としても機能し、複合的な社会インフラ(エネルギーや情報など)の重要性を改めて示しました。その後、米国では防災(レジリエンス)を目的としたコージェネレーションの普及策がとられています。

「米国のコージェネレーション市場と政策に関する調査」の概要(ACEJ News掲載版)
また、災害情報を活用した減災については、「タイムライン(事前防災行動計画)」という手法が、「災害の発生を前提とした対策」を「災害がどのように発生するかを予測しながら対策をとる」ために有効な手法として取り上げられています。

タイムライン(事前防災行動計画)とはCeMI 環境・防災研究所
ハリケーンサンディの時には、
地元の放送局や、Google社の「グーグル・クライシス・マップ」などが災害情報の適切な提供で大きな役割を果たしたそうですが、

現在は、AIやIoTにより、さらに詳細かつ先の事象予測を提供しうること、Twitterなど個人の情報発信も当時よりも発達していることから、より充実した災害情報の提供のポテンシャルは高まっており、そういった情報を効果的に集約・発信できるプラットプラットフォーマーとしてもグーグルなどの存在感が増してくるのではと考える次第です。

「ハリケーン「サンディ」の災害情報」~米国における防災情報提供の新潮流~

グーグルやヤフーの交通、天気、地図情報の統合サービス

グーグルやヤフーは、交通、天気、 地図などの情報を統合して、そこにユーザーからのTwitterなどによる情報も加えて自社のサイト、アプリから提供していますね。

私もヤフーの乗り換え案内には日頃大変お世話になっています。

普段も便利なだけでなく台風などお大きな災害時にも頼りにするであろうことは想像に難くありませんが、逆に言えば、普段使いのスマートフォンから利用できるからこそ、天災のような非日常的状況においても情報収集に使えるという事になります。

 

普段からの接点を確保する

上記は、災害情報だけでなく、ビジネス一般にも通じることかと思います。

いわゆる御用聞きというのも、日常的な接点があるからこそ、何かあったときにすぐ顧客ニーズに対応でき、またついで買いのようなプラスアルファのニーズを拾えるとも言えますね。

また、心理学の「ザイオンス効果」のように多くの回数会っていることが信頼性を増す事にも繋がります。

ネット、リアルを問わず、むしろその組み合わせで顧客接点を日常的に維持することの重要性を改めて感じた次第です。

御社ではどの様に、日常のお客様接点を確保していらっしゃるでしょうか?

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