特許庁とAIの相性は?
● 特許庁のAI導入
特許庁では、平成28年度から、「人工知能技術を活用した特許行政
事務の高度化・効率化実証的研究事業」を実施し、特許行政事務の
高度化・効率化を図り、ユーザー向けのサービス向上につなげるこ
とを目的として、人工知能技術の活用に関する検討を将来的な人工
知能技術の活用を視野に入れた「アクション・プラン」を取りまとめ
公表しました。
https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/pdf/tizai_bunkakai_10_paper/12.pdf
まずは、電話応答から初めて、先行事例の調査などに対象を広げ、
将来は特許や意匠(デザイン)の登録可否の判断まで目指すとのことです。
● 特許公報のフォーマットとAIの相性
私は仕事がら、特許庁の特許情報プラットフォーム
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage
をちょっとした調べ物に使いますが、自社の技術開発についても、
自社の特許情報(出願~登録、期間満了したもの)をまとめた
データベースがあり、過去、誰がどのような特許を出願したのか、
簡単に検索出来るようになっています。
特許情報がデータベース化しやすいのは、
特許出願時から公開、登録に至るまで、公報や出願書類の書式が
決まっていること、かつ、基本的な構成が変わらないからですが、
これは、特許情報に限らず、体系化してデータベースに落としやすい
情報に共通の条件ですね。
● 人的資産の構造資産化におけるフォーマット統一の効用
知的資産経営において、人的資源の構造資産化は重要なステップの
一つですが、人的資源の持つ知識や経験を形式知化して行くときに、
技術分野では特許出願やあるいは特許の明細書の書式でまとめておく
ことは、データベースとして構造資産にする有力な手段となります。
技術分野でなくとも、特許の明細書の目的、従来の方法と問題点、
解決方法、実施(実行)の方法という構成は社内の知見を蓄積する際
のフォーマットの参考になると思います。
できれば、課題出しとその解決に使うフォーマットがそのまま、得た
知見の記録と共有にも使えるようになっていれば、効率も上がりますね。
仕事のフロー、チェックリストなどと合わせて、課題解決とその記録
もテンプレート化してフォーマットを統一することが、知的資産経営
の有効なツールを得る手段であると考える次第です。