宅配事業とEC事業の連携にみる可視化の有効性とバリューチェーン全体での対応の重要性

 ● 配達予定時間を通知 通販の生産性向上へ事例集 経産省・国交省 

2018/11/19 の労働新聞に表記の記事が掲載されていました。
宅配事業とインターネット通販などのEC事業の連携による生産性向上対策の事例集に関するものです。

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

『経済産業省と国土交通省は、労働力不足が深刻化している宅配事業とインターネット通販などのEC事業の生産性向上を図るため、両事業の連携による再配達削減事例を取りまとめた。

 アスクル㈱では、顧客が注文時に配達時間帯を1時間単位で指定し、自宅で長時間待機せずに荷物を受け取れるサービスを提供している。さらに配達当日は30分単位で到着時間を通知し、顧客の不在で生じる再配達の削減に取り組んでいる。一定金額以上の購入で同サービスを無料で利用できるようにして、まとめ買いの促進にもつなげている。

 スマートフォンの荷物追跡サービスアプリと連携した配送状況確認サービスを提供しているのが、化粧品販売のオルビス㈱。アプリでは、通信販売で購入した商品の出荷状況や荷物の配送状況を確認できるほか、再配達の依頼も行える。』

この事例集に関する経済産業省のサイトにはこれまでの議論の経緯なども掲載されています。

2018年11月2日 の経済産業省リリース
「再配達削減に向けた取組事例をとりまとめました」

● バリューチェーン全体での取り組み

インターネットによる通信販売は、いまや私達の消費生活に欠かせないものとなっていますし、B2Bも含めれば、ほとんどのビジネスにおけるバリューチェーンのどこかにEC販売が関わっているかと思います。

上記の事例集は、生産性向上や人材不足への対応などの課題において、バリューチェーン全体での対応が必要な事例と言えるかと思います。

上記の事例のように、商品・サービスの流れの見える化によって顧客も含めた生産性向上対策が可能になることが窺えますね。

このような取り組みが可能になってきたのは、バリューチェーンにおけるお金とモノ・サービス、顧客ニーズなどのデータの共有においてスマホやタブレットなどのモバイル端末のデバイスが利用できるようになったことも大きいかと思います。

そのような視点からは、モバイル端末、AI・IoTなどの新技術や新サービスの動向は、バリューチェーン全体への影響あるいは適用という視点からモニタリングすることが必要とも言えるかと思います。

 

● 自社の「関係資産」を見直し続ける

上記のように、バリューチェーン全体での取り組みが必要であり、かつモバイル端末やAI・IoTなどによってそれが可能になってきた現在では、中小企業においても自社が参加しているバリューチェーン全体をみて、その中で自社も含めた生産性向上や顧客・取引先への自社の提供価値の改革を進めて行くことが必要になるかと思います。

これは、知的資産の中では「関係資産」の見直しと改革に当たるかと思います。

そして、こういったバリューチェーン全体を見通し、その中での自社の立ち位置を明確にする上で、知的資産経営報告書の価値創造ストーリーなども活用してはいかがかと考える次第です。

 

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