スマート農業にみる、キーワードによる現状分析と未来予測の組み合わせ

【今日のポイント】

第一次産業でもDXの活用(スマート化)は現状分析と未来予測の面でも進んでいますが、
このような先行事例を見つけ、自社事業の参考とするためにも情報収集と分析のためのキーワード選びは重要であり、複数の視点を利用することが有効と考える次第です。

【目次】
1.スマート農業における未来予測の活用
2.特許等の情報活用による、予測に活用するキーワードの探し方
3.未来予測と自社の将来像を描くためのキーワードを探す

1.スマート農業における未来予測の活用

● 地温計測とAI未来予測で、最適な土壌環境へ ― デジタル農業プラットフォーム「NileBank」のトライアルキャンペーンを実施 ―

2022/7/22に、株式会社ナイルワークスは表記のプレスリリースを公表しました。

https://www.nileworks.co.jp/news/press/20220722-22.html
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同じ。)

『ナイルワークスでは、2021年より、ビニールハウスでの太陽熱消毒、およびピーマン栽培におけるデータ利活用の実証実験に取り組んでいます。
太陽熱消毒においては、センサーで地温を計測することにより、消毒効果や期間の判断に役立つことが分かりました。さらに、センサーで計測した地温・気温と、気象や土質データを組み合わせ、土壌環境の詳細な分析モデルの開発を進めています。』

⇒以前、『AI搭載のIoTシューズにみる「データーの入り口」の広がりと「出口」の関係』https://wp.me/p9D2bS-sg で、データの入り口(情報源)が広がる事で、出口となるその活用方法も広がっていくことをお話しましたが、

スマート農業においても、計測技術とAI分析により現状把握と予測の双方が進む様子が窺えるとともに、計測(データ取得)と分析(データ分析)の双方でイノベーションが進む事で、新たな価値が生まれることを改めて感じた次第です。

なお、農業などの第一次産業のスマート化については、以下のトピックスもご参考になれば幸いに存じます。

『第一次産業へのAI・IoT適用にみる「データ管理のプラットフォーム化」の重要性』 https://wp.me/p9D2bS-At

また、未来予測の活用方法については、以下のトピックスもご参考になれば幸いに存じます。

『未来予測とその使い方(最近の事例から)』 https://wp.me/p9D2bS-23v

『未来予測と、バックキャストでの課題設定の連携方法は?』 https://wp.me/p9D2bS-22N

 

2.特許等の情報活用による、予測に活用するキーワードの探し方

● 特許・論文のキーワード分析から見えた製造現場のイノベーションとは? 「自働化」と「個別化」が切り拓く「モノづくりDX」の未来

2022/7/21に、アスタミューゼ株式会社は表記のプレスリリースを公表しました(PRTIMES_JPより)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000244.000007141.html
(引用は『』でくくります。改行は筆者挿入。以下同じ。)

『今回、モノづくりにおけるDXについて、アスタミューゼのイノベーションデータベースの解析を行いました。
その結果、関連するさまざまな注目キーワード(IoT, machine-learning 等)の出現頻度が近年急激に増加していることから、この分野の技術開発が急速に進められていることが分かりました。
データ種別ごとの統計分析から、時系列でグラント→特許→論文の順にそれらキーワードの増大が見られており、このことからこの分野が基礎研究段階から社会実装段階へとシフトしつつあることがうかがえます。』

キーワードを選ぶ事は視点を選ぶことでもあり、そこに特許情報等の公開情報AIによってどう活用できる、また、複数の種類の情報の突き合わせによりどのような変化が予測できるか、今後もこの分野は要注目と感じる次第です。

なお、特許情報の活用方法については、以下のトピックスもご参考になれば幸いに存じます。

『特許情報活用にみる技術と市場の双方からの俯瞰』 https://wp.me/p9D2bS-E2

『AI利用のマッチングサービスにみる、「お客の課題発見」という特許情報のビジネス活用』
https://wp.me/p9D2bS-1ji

 

3.未来予測と自社の将来像を描くためのキーワードを探す

上記のように、新しい分析手法などから得られる今までと異なる情報およびその組み合わせは、現状と将来の多面的な把握を可能にする点で非常に重要であり、

更に、現状把握と未来予測から自社の将来像を描きイノベーションを起こすきっかけにもなり得るものと思います。

そして、このような情報を、公開情報から得る上で、キーワードを慎重に選ぶこと時系列での変化を追うための定点観察(同じキーワードで得られる情報)に加えて、環境変化を追うためのキーワードの更新双方が必要となります。

このキーワードを探す方法の一つとして、

「キーワードの組み合わせ方を考える」というものがあります。

『経営デザインシート作成テキストから考える、「キーワードの選び方と組み合わせ方」』 https://wp.me/p9D2bS-27x でもお伝えしましたように、

・「環境×顧客のTPO」や「スマートデバイス×五感」、「検索機能×顧客接点」、「温故知新×空想」などのキーワードの組わせによる外部環境の変化を把握して自社への影響を検討するためのキーワードの組わせ

・本トピックス1.の記事で言えば「スマート化などの手法×自社事業やその領域」のような、「課題×解決手段」「シーズ×とその適用先」のキーワードの組み合わせ、

などが挙げられます。

 

また、単体のキーワードを探す場合には、
2019年のトピックス『時代の潮流を探る方法-キーワードのヒント>軽薄短小化』 https://wp.me/p9D2bS-ZG や、
『時代の潮流を探る方法-キーワードのヒント>防災技術』https://wp.me/p9D2bS-YP
『東大の「オリパラ向け特許無償開放」にみる事業機会のキーワードとその見つけ方』https://wp.me/p9D2bS-iF
などで採り上げた、現在の社会の幅広い分野に関係するキーワード(最近ならば、「働き方の多様化」「パンデミック(感染)対応」「デジタル化(DX)」など)を利用する方法や、

『時代の潮流を探る方法-キーワードのヒント>集中と分散』 https://wp.me/p9D2bS-Yt などのトピックスでお話した、
「集中と分散」「螺旋的発展」などの、ものの見方(視点)に関する汎用的なキーワードを利用する方法などが挙げられます。

 

これらのキーワードを前述のように定点観測用と、その時点での潮流を見るためのバズワードなどの双方について選ぶことは、効率的かつ視野を広げて現状把握と未来予測、更にその活用検討において利用するうえで有効なものと、活用をお勧めする次第です。

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