時代の潮流を探る方法-キーワードのヒント>集中と分散
【今日のポイント】
ITインフラ技術の集中と分散のサイクルに関するコラム記事。
このように、「集中と分散」×「***(今回はITインフラ技術)」というキーワードの掛け算で情報収集や分析を行うことで、時代の潮流を探りやすくなります。
「集中と分散」以外にも切り口となるキーワードを増やすことで、複数の視点を持つことができ、視野が広がります。
● 日本でIoTがなかなか広まらないのは、先進的技術の支えがないから
2019/3/6のForbes Japanに表記の記事が掲載されていました。
(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)
『日本国内のIoTが欧米と比較して立ち遅れている、とよく話題に上がってきます。
総務省が2017年に発行した「第4次産業革命における産業構造分析とIoT・AI等の進展にかかる現状および課題に関する調査研究」でも、IoTは用語としては広まりながらも、実際には通信業と一部の製造業での実績に限定されている点、ビッグデータ、AI、等、IoTを構成する技術の理解/普及が他国と比較して非常に低い、という点が指摘されています。』
と、IoTだけが先行しても、他の先進技術が伴わないと効果は限定的との事。ここにもエコシステム全体の構築の重要性が窺われると思います。
なお、上記の記事が引用している総務省の「第4次産業革命における産業構造分析とIoT・AI等の進展にかかる現状および課題に関する調査研究」はこちらに公表されています。
● 技術の集中と分散のサイクル
上記の、IoTが真に効果を発揮するための、他の先進技術の重要性を、技術のHype Cycle(ハイプ・サイクル:特定の技術の成熟度、採用度、社会への適用度を示す図、ハイプ曲線。ガートナー社がこの用語を提示)を基に説明している部分も参考になりましたが、
『図に示すように、それらのインフラ系の技術は、分散と集中を繰り返す歴史をずっと辿ってきたことです。』
とITインフラに関する技術が、OS→仮想化→クラウド→コンテナという大きなくくりの中で、集中と分散を繰り返してきたこと、更に、時代が進むにつれて、各技術の段階において、分散から集中にシフトするペースが早くなってきているという、技術の集中と分散のサイクルのコメントに大変興味を惹かれました。
ここで、集中と分散が繰り返されるのは、双方が進む際に適正水準にとどまるのではなく、オーバーシュートによる揺り返しが発生すること、また、集中、分散が進む間にニーズ自体が変化し、次の代替技術の発達や実用化を促すということが背景にあるかと思います。
● 「集中と分散」×「自社の関心事のキーワード」という掛け算で世界を眺めて潮流を探る
私のブログでも、今まで、「集中と分散」に関するトピックスは20近く取り上げてきましたが、
「AI・IoTを分散型・集中型の視点で見ると?」
では、AI・IoTと人間の職業の棲み分けや自社の課題の見つけ方について、
「オプティムとみちのく銀行の提携にみるあらたな「集中と分散」」
では、スマートアグリ(スマート農業)や地域創生を対象に、
「コージェネレーションシステム(熱電併給システム)にみる分散型移行によるビジネスチャンス」
ではエネルギーインフと防災等について、
「医療用スマホアプリに見る「集中と分散」の複合化と対応方法」
では、医療分野でのAI・IoT等の新技術導入について、
「グローバル化の進展による地域間の国際競争の変化の捉え方」
では国際的な地域間競争を対象に、
それぞれ、「集中と分散」をキーワード・切り口としてお話してきたように、
このような切り口となるキーワードと、自社の業界や市場における課題を掛け合わせて見ると、大きな潮流を捉えやすくなります。
私は「集中と分散」以外に「螺旋的発展」というのもよく、物事を見るときの切り口として使っています。
こういった切り口をキーワードに加えて検索などの情報収集に利用することも、普段よりも幅広い、あるいは違った視点からの情報を得るために有効なものと考える次第です。
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