フェイスブックの仮想通貨「リブラ」に予想する、税と手数料の違いが曖昧になる世界

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

【今日のポイント】

米国を始め、世界中に波紋を広げているフェイスブックの仮想通貨「リブラ(Libra)」。

仮想通貨やアリペイのような決済手段、アマゾンプライムのようなサブスクリプション型サービスの普及拡大は、国家が独占していた通貨発行や徴税と重なるところもあり、今後国家の機能(権限)への民間企業の参入が進むことを予想させます。

 

● Facebookの仮想通貨「Libra」上院公聴会、厳しい質問も

2019/7/17ITmediaに表記の記事が掲載されています。

フェイスブックのリブラ(Libraは大変注目を浴びており、既に多くのメディアが報じていますが、

米国の議会や政府だけでなく、インドなど他国の政府や、仮想通貨「イーサリアム」の創設者も批判しているとの報道も出ています。

その全貌や影響は理解が追いつきませんが、非常に大きなトピックであることは間違いの無いところかと思います。

 

国家・行政と巨大IT企業の役割分担の揺らぎ(行政機能への民間企業参入)の拡大

今回の記事からは、「国家・行政と巨大IT企業の役割分担の揺らぎ(行政機能への民間企業参入)の拡大」が窺われるかと思います。

すでに、福祉、環境対策、高齢者対応などの社会課題、刑務所などの社会インフラへの民間進出は進んでいますが、

通貨発行や税徴収においても、今後巨大IT企業の進出が進むことが予想されます。

GAFAなどグローバル企業は国境を超えて迅速な活動が可能であり、
また、会員制、サブスクリプションと税金、法人税や事業税とB2Bの手数料の間にも類似するものがあるかと思います。

グローバル企業は、主に節税の観点から各国の税制を詳細に分析している様ですが、裏を返せば、自分達のビジネスモデル(課金モデル)への応用を考えて実行している可能性と実現性は高いものと考えています。

中国では、アリババ等の金融部門が大きくなりすぎて中国行政が問題視しているとの記事もいくつか目にしますが、

決済手段の競争の先にあるもの、課金手段、CSRなどの社会貢献等様々な面で国家・行政機能と民間企業の機能の境目が変化して、民間企業が提供する機能が拡大してくるものと予想されます。

 

そして、このような動きは、知的資産経営のSWOT分析においても、

従来のPEST分析(Politics(政治)Economy(経済)Society(社会)Technology(技術)4つの分野でマクロ環境を分析する手法)のP(政治)の分野およびE(経済)の分野で、行政などの公的機関だけでなく、GAFAなどの巨大IT企業の動向も視野に入れる必要性を示唆しているものと考える次第です。

 

なお、グーグルを始め、GAFAについては、以下の書籍も中国の巨大デジタル企業との対比で分析していて参考になるかと思います。
GAFA×BATH米中メガテックの競争戦略(田中道昭著)』
アマゾン×アリババ、アップル×ファーウェイ、フェイスブック×テンセント、グーグル×バイドゥと対比させながら、「孫氏の兵法」の五事(道・天・地・将・法)を応用した5つの視点から8社の戦略を比較分析しています。

 

 

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