AI・IoT時代における「ビジネスモデルと競合の変化」

● 中小企業のIoT 将来の新しいビジネスモデルは何か

2018/4/6の、独立行政法人経済産業研究所(以下「RIETI」)のコラム欄に、表記の記事が掲載されていました。

筆者は、経産省出身の、岩本 晃一 上席研究員です。

https://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/iwamoto-koichi/17.html?id=nl
(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

『筆者には、「いずれ中小企業にもIoT導入の機運が高まる」という確信があり、実際にこの2年間で、中小企業経営者のIoTに対する関心は大いに高まった。

そうすると、次の中小企業経営者の関心事は、IoTを用いた中小企業の新しいビジネスモデルに移ってくると筆者は予想する。
(中略)

背景にある「テクノロジーの進歩」の底流は極めてシンプル。それは「早く、大量に、安く、小さく」である。筆者が学生だった頃、大学にスーパーコンピュータがあったが、それよりも今のスマホの方が遙かに性能が上である。一体、当時の誰が、将来、スパコンが手のひらサイズになると予想しただろうか。その流れは、ムーアの法則によれば更に加速度がつき、今のスパコン「京」がやがて手のひらサイズになる。その破壊力のすさまじさは想像できるだろうか。

また通信技術についても、3G、4G、5Gなどと高度化し、「早く、大量に、安く、小さく」が実現される。その結果、これまで出来なかったことが新しく出来るようになった(図1)。過去20年間の変化よりも今後20年間の変化のほうが遙かにもっと大きい。すなわち、そこに巨大市場が生まれるのである。』

と、今後のコンピューターと通信分野でのテクノロジーの『早く、大量に、安く、小さく』の急激な進展を背景に、中小企業でもIoTの分野に対して「今後実現する新たなビジネスモデル」への関心が高まると予想しています。

今後20年間の情報通信技術の変化

RIETIサイト https://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/iwamoto-koichi/data/17_figure_1.png

https://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/iwamoto-koichi/data/17_figure_2.png

 

● モノづくりのサービス化とカスタマイス化

岩本氏は、ドイツのインダストリー4.0を例にとって、
モノづくりのサービス化が今後更に進むこと、
ドイツのインダストリー4.0分野の中心的存在であるミュンヘン大学のアーノルド・ピコー教授から氏が伺った、

『企業はデジタル技術を、企業と顧客をつなぐ接続部、すなわち従来と比ベ、更に新たな接続の機会を増やすという形で使おうとしている。言い換えると、顧客が一体何をもっと欲しているか、という情報を取り、更に一層顧客の要望にカスタマイズして提供することにデジタル技術を使おうとしている。ということは、今後は、企業がいかに顧客にカスタマイズしたものを提供できるか、というところで企業の勝敗が決まっていく、ということに要約される』

という言葉を引いて、カスタマイズ化の急激な進展など『これまで見られなかった新しいビジネスモデルにジャンピングするものである。今はその最中』であると述べています。

 

● ブロックチェーン技術によるC2C取引(顧客同士の取引)

「環境価値をブロックチェーン技術でC2C取引 ソフトバンクなどが実証へ」

2018/4/24に株式会社電力シェアリングは環境省の「平成30年度ブロックチェーン技術を活用した再エネCO2削減価値創出モデル事業」における同社の提案が採択されたことを公表しました。

これに合わせて
再生可能エネルギーによるCO2(二酸化炭素)の削減価値をC2C(Customer to Customer)で取引することに向けた実験を2018年6月からソフトバンク等と一緒に開始するとのこと。

ブロックチェーン技術がC2C取引という、新たなビジネスモデル(取引形態)を可能にしている実例として、注目したところです。

 

● 技術がもたらすプレーヤーの変化に注目する

「VPP(バーチャルパワープラント)にみるビジネスのヒントとは?」
https://wp.me/p9D2bS-h6
でもお話したように、

消費者が生産にも関わる、プロシューマー化は、ITの普及によりVPPのようなエネルギー分野だけでなくヤフオクのような、中古品のマーケットへの参加や、消費者の商品企画・開発への参加(生産者の開発企画にユーザーも能動的に参加するもの、ユーザーの顧客データ-やコメントをネット上でデータアグリゲータ(グーグル等)が集めて、企業の商品企画やマーケティング向けに提供する受動的なものなもの)が広く行われています。

AI・IoT、ブロックチェーンなどの技術が、新たなプレーヤーや、既存のプレーヤー間の関係の変化を産み出すことが、ビジネスモデルの変化の大きな要因であり、そこにはビジネスチャンスと共に新たな競合も生まれてくるわけですね。

カスタマイゼーションという切り口、プレーヤーの変化(特に顧客が単なる消費者というだけでなくなるという変化)は、今後の自社事業を考える際、例えば知的資産経営報告書作成時のSWOT分析などに取り入れて行くことが必要だと改めて感じた次第です。

 

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