ネットワンのサブスクモデルにみる自社のリソース提供形態の多様化
【今日のポイント】
クラウドとオンプレミスの両方の長所を活かしたネットワン社のサブスクリプションモデル。
自社のリソースの提供形態を多様化して、顧客ニーズに柔軟に対応するビジネスモデルの一例として参考になるものと思います。
● ネットワン「サブスク拡大」の理由――オンプレとクラウドの中間で新ビジネスモデル
2019/7/2のbusinessnetwork.jpに表記の記事が掲載されていました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『ネットワーク機器メーカーも最近では、クラウドWi-FiやSD-WANサービスのように月額課金型で利用できるサービスを手がけてはいるものの、導入時には機器の購入が必要なものが多く、ユーザーの要望を満たしきれていないのが現状だ。
そうしたなか、all inが支持を得た理由は、オンプレミスとクラウドの中間を狙った点にあると石橋氏は語る。』
ユーザーサイトに設置するシステムとクラウドを柔軟に組み合わせてサブスクリプションも含めてユーザーに合わせて設計し提供するためにネットワンシステムズが設立したネットワンネクスト株式会社のビジネスモデル。
テーラーメイド型のサービスでクライアントのニーズに応えることで、業績を伸ばしているようです。
ネットワンネクストの設立に関するリリースはこちら。
https://www.netone.co.jp/news/release/20190326_01.html
『ネットワンシステムズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 COO:荒井 透)は、サブスクリプションサービス「NetOne “all in” Platform」の拡大に向けて、新会社「ネットワンネクスト株式会社」を設立し、4月1日より営業を開始します。目標売上は、2021年度に50億円です。
ネットワンシステムズは、お客様の「所有から利用」への移行を支援するために、ICT基盤をサブスクリプション型で提供するサービス「NetOne “all in” Platform」を2017年から提供しています。
具体的には、働き方改革・マルチクラウド・セキュリティ強化等の要望に合わせて、製品・サービスを組み合わせた上で、サブスクリプション型で提供するものです。これによって、お客様は資産を管理することなく、ICT機能を利活用できるようになります。』
上記のリリースでも触れられているように、ネットワンシステムズ社は、働き方改革に関するソリューション提供事業も行っています。
ネットワンの「働き方改革特別サイト」はこちら
● エネルギーサービス、資生堂のサービスなどとの類似性
同社のサービスは、他業界で言えば、エネルギー供給における顧客のサイトにエネルギー企業側の資産としてコージェネレーションシステムなどを置き、熱と電気などのエネルギーを供給するエネルギーサービスとも共通するものがあるかと思います。
上記のエネルギーサービスでは、サービス提供者がメンテナンスやクライアントの設備のエネルギーマネジメントも請け負うワンストップサービスなどを提供しています。
以前のトピックス
『資生堂のサブスクリプション型IoTスキンケアサービスにみる自社が活用すべき強みの押さえ方』
でご紹介した、資生堂のサブスクリプション型スキンケアサービスとも、お客様サイドにスキンケアを提供する装置があり、費用は定額制という点で、ネットワンや上記のエネルギーサービスと共通点があるかと思います。
● 事業連携でテーラーメイド型サブスクモデルを作る
中小企業でラインアップを広げたり、テーラーメイドのサービスを提供することは、リソースの関係からも難しい場合が多いと考えられます。
そこで、お客様が必要とするサービスについて、お客様の使い方から逆算して必要なリソースを考え、自社だけでなく他社のリソースも利用してサービスフローを組み立てることが必要となってきます。
そのような他社との連携においては、顧客のニーズや使用状況などの情報をすばやく共有し、物流含めて連携して動ける仕組みづくりもポイントの一つになるかと思います。
その中で、お客様から見たサービスへのニーズや必要なリソースの洗い出しに、知的資産経営報告書の価値創造ストーリーやSWOT分析が役立つものと考える次第です。
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