懐メロのヒットに考える、デジタル化や検索サービスによる顧客接点の変化がコンテンツニーズに及ぼす影響
【今日のポイント】
SNSなどにより30年以上前の懐メロがヒットし、オンラインストアでもコーナーが組まれるなど、商業面にも影響を及ぼしています。
デジタル化や検索サービスは、顧客のコンテンツに触れる機会(顧客接点)の変化を通じてコンテンツ自体へのニーズにも影響を及ぼすため、その動向把握も重要な課題と考える次第です。
【目次】
1.古い音楽は金色に輝いている! Old music is gold!
2.デジタル化や検索サービスによる顧客体験の入り口(顧客接点)の変化から自社のコンテンツ(知的資産)を見直す
1.古い音楽は金色に輝いている! Old music is gold!
2022/2/10の1日5分ビジネス英語に表記の記事が掲載されていました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同じ。)
『『オーディエンス(聴衆)は今、新曲よりもむしろ古い曲を購入したいと考えている。iTunesで最もダウンロードされている曲のリストには、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルやザ・ポリスなど数十年前の曲が含まれているという事実がある。』
また、2022/1/20のNHKクラシックTVでは、
『ビーチ・ボーイズのティーンエイジ・シンフォニー』
との題で、1961年に結成されたアメリカのバント、ビーチ・ボーイズの特集を放送していました。
内容紹介はこちら
過去の大人気バンドの音楽性の変化やビートルズなど他者への影響など、大変興味深いものでしたが、やはり懐メロがクラシックと同様に現在でも通用する魅力を持っている事を再認識した次第です。
上記のような事例や、昨年リバイバルヒットした40年以上前の「真夜中のドア/ STAY WITH ME」などからは、
「ネットとデジタルアーカイブが温故知新を加速する」様子が窺えると感じます。
上記の「真夜中のドア」ですが、この曲はシンガポールのYouTuberのカバーやTikTokによってオリジナル曲も人気が出てきたようです。
古い映画がデジタルリメイクされるように、デジタルアーカイブにより過去の映像コンテンツやリアルなものの使い方・効能などが保存されるとともに、SNSなどでその存在が周知される事で、
以下の記事に記載のSF小説のように、音楽に限らず、思想や美術などの多くの分野で温故知新の流れが加速するのではと考えた次第です。
『世界的アーティスト、ドージャ・キャット、ザ・ウィークエンドが称賛するインドネシアの人気YouTuber・Rainych(レイニッチ)が松原みき「真夜中のドア/ STAY WITH ME」をカバー!』
2020/12/11のPRTIMES_JPより。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000055377.html
『「TikTok売れ」で30年前の実験的SF小説が3万5000部の緊急重版……メガヒットに出版社も熱視線』
2021/8/12のBUISINESS INSIDER掲載の西崎圭一氏 [ITライター]の記事。
https://www.businessinsider.jp/post-240199
また、以下のような、鼻歌やハミングで曲を検索できるサービスも、TVのCMなど、いつかどこかで聞いたことのある曲に触れ、その情報を得て、ネットで購入する事を可能とすることで、昔の曲のヒットを後押ししている可能性を感じました。
『近くで流れている曲について調べる』
Googleアシスタントヘルプより。
2.デジタル化や検索サービスによる顧客体験の入り口(顧客接点)の変化から自社のコンテンツ(知的資産)を見直す
上記は、SNSや検索が、エンターテイメントにおけるコンテンツのヒットに及ぼす影響の例ですが、
例えば、オンライン無料相談という顧客接点や、美術館のオンラインコンテンツ、以前にも以下の本ブログでご紹介したオンラインで酒造見学を行うと同時に事前にお酒とおつまみを参加者に配送して一緒に楽しんでもらうイベントなど、
顧客体験の入り口となる顧客接点が、新型コロナやそれに伴うオンライン化、VRなどの仮想体験技術の発達により変化して来ていることは、多くの記事で目にするとともに、
ユーザー側としても体験することが増えてきているかと思います。
『酒造所のオンライン見学会ー顧客生涯価値の向上と顧客理解の促進』
私自身も、新型コロナで美術館に行けない間、TVの美術関連の番組や美術館のオンラインコンテンツ、Google Arts & Cuture(https://artsandculture.google.com/?hl=ja)などのオンラインコンテンツを利用しており、
美術館に行けるようになっても、自宅で上記の番組などを見続けています。
そうなると、自分が行ける美術館にこだわらず、世界各地、かつ過去・現在を問わず多くの美術を目にすることで今まで関心を持たなかった美術の分野にも興味を持つ機会も増えてきていると感じています。
このように、新型コロナなどの外部環境の変化や、オンライン技術の発達などによる、顧客体験の入り口(顧客接点)や体験の場の変化は、顧客のコンテンツの種類に関するニーズにも影響を及ぼすため、
自社が商品・サービスを通じて価値を提供している顧客のニーズの変化要因の中に、デジタル化や検索機能の向上による顧客接点の変化を取り入れ、その動向について情報収集を行うことは、重要課題となってくるものと考えています。
そして、そのような課題意識・視点を持って情報収集する仕組みと得た知見は、自社にとって有用な知的資産(外からは見えにくく、真似しにくい自社の強み)となるため、
他の知的資産とも組み合わせて有効活用する仕組みづくりを検討することも併せてお勧めする次第です。
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