ゼロックスとHPの合併検討にみる、上位概念での自社の提供価値の【継続的な】再定義の重要性

プリンター

【今日のポイント】

プリンター業界の雄であるゼロックスとHPの合併劇。

スマートフォンなどによる印刷ニーズの低下への対応に苦慮している2社ですが、自社の提供価値を、「印刷」や「文書」より更に上位概念で【継続的に】再定義していくことの必要性を示唆する事例かと思います。

 

衰退するテクノロジー大手2社の合併

2019/11/2115分ビジネス英語に表記のトピックスが掲載されていました。

(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『ゼロックスはHPを買収するための入札を行っているが、これはかなり驚くべきことである。』

(中略)

『スキャナー、プリンター、多機能システムに特化した創業113年の企業ゼロックスは、1960年から1975年の間にピークを迎えた。一方、HP1938年に1台用の自動車ガレージからスタートアップとしてスタートし、2007年から2013年にかけて世界をリードするPCメーカーになった。』

(中略)

『スマートフォンが私たちのほとんどにとって印刷を不要にしているため、HPとゼロックスの両社は、衰退するビジネスに依存して生き残っている。

似たような印刷 製品があるため、合併は理にかなっている。合併企業は、少なくとも20億ドルのコストを節約できる。HPは、ゼロックスから合併の提案を受け取ったことを認めているが、まだ対応していない。』

一方、HPがゼロックスの買収案に対して逆買収による統合にも含みをもたせているという記事も出ています。

『米HP、ゼロックスによる買収案拒否 逆買収による統合に含み』
2019/11/18ロイターの記事。

https://jp.reuters.com/article/hp-m-a-xerox-hlngs-idJPKBN1XR0V9

また、ブルームバーグは、2019/12/4の以下の記事で、ゼロックスの筆頭株主で、保有比率は約11%。HP株4.2%を持つ、資産家のカール・アイカーン氏が、HPに対して両者の合併を促すコメントを出していることを報じています(同氏によれば、両社合併は20億ドル(約2170億円)余りのシナジー効果につながる可能性があるとのことです)。

『アイカーン氏、HPにゼロックスとの合併交渉促す-株主宛て書簡で』

プリント事業で世界を牽引するこの2社の統合の行方が大変気になるところです。

 

 

自社の社会への提供価値を【継続的に上位概念で】規定し続ける必要性

今までも以下のトピックスなどで、自社の提供価値を上位概念で捉えて、視野を広げることの重要性とその方法のヒントをお話してきましたが、

『大日本印刷の知的財産と表現技術の掛け合わせにみる上位概念での事業展開要』

『欧州のベジタリアンバーガーの改名規制にみる自社提供価値の定義付のヒント>上位概念で価値を再定義する』

3Dプリンターにみる、商品展開の想像力の重要性と課題設定のポイント』

上記の一連の今回の記事からは、「自社の社会への提供価値を【継続的に】上位概念で規定し続けることの必要性」が伺えるかと思います。

ゼロックスは文書全般を扱うと言う事業ドメインに再定義して一旦復興しましたが、

これが「顧客のビジネスにおけるコミュニケーションや記録の管理をサポートする」として、文書はその手段としていたら、スマートフォンなどへの対応も考えられた可能性があるかと思います。

また、
ゼロックスのライセンス戦略の可能性についても、
「デジタルで個人、企業の知的生産活動をサポートする」と言う様に自社の提供価値を定義していたら、自社生産に拘らず、ライセンス等でその価値を提供すると言う方法も取り得たのではないかと思います。

今後、事業環境が通信などのインフラを含めて激しく変化していく中で、変えるべきものと変えないものを常に問い直し続けて、上位概念で自社の提供価値を考え、現在使える打ち手を柔軟に選べる様な体制づくりが企業存続に取って必要性を増していると感じます。

そして、このような上位概念での自社の提供価値の現在と将来を考えるうえで、

知的資産経営報告書の『価値創造ストーリー」や経営デザインシートの作成と更新が有効な手段となるものと、お勧めする次第です。

 

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