「言語化の魔力(樺澤 紫苑 著)」を再読して~悩みや課題の可視化と対応のヒント

「言語化の魔力」表紙

【今日のポイント】

ビジネス書のベストセラー作家、樺沢紫苑さんの「言語化の魔力」。
悩みの解決法について言語化だけでなく、その他複数の手法を、今までの4,000件以上の相談対応の経験からわかり易く、具体的に紹介しています。

個人的な悩みだけでなく、ビジネスの課題解決においても参考になるものと、一読をお勧めする次第です。

【目次】

1.「言語化の魔力」(樺沢紫苑 著)の構成
2.自分の気付き、ToD
3.ビフォア・アフター
4.こんな人にお薦め

 

1. 「言語化の魔力」(樺沢紫苑 著)の構成

先日、『言語化の魔力 言葉にすれば「悩み」は消える (幻冬舎 単行本) 2022/11/9 樺沢 紫苑 (著)』 https://amzn.to/3LkDper
を再読しました。

樺沢紫苑さんは、本ブログでも何回か「アウトプット大全」「インプット大全」などの著書を紹介している、精神科医の方ですが、
YouTube 「樺チャンネル」( https://www.youtube.com/@kabasawa3 )でも、視聴者からの悩み相談への回答として4,000本以上の動画を配信しています(本著より。本ブログ執筆時点で5,600本以上)。

本著では、その4,000件以上の悩み相談の中から悩みを分析し、その共通項から、3つの軸で悩みを分析する方法と、悩みを解消する方法として、視座の転換や言語化など複数の方法を挙げて解説しています。

悩みは誰しも持っているかと思いますが、その悩みへの対処方法として言語化を始めとする具体的な方法を、扁桃体が不安に与える影響や、脳内物質のオキシトシンの作用などの脳科学や精神医学と上記の悩み相談の経験に基づいてわかり易く提示してくれているため、

仕事からプライベートまで、悩みや課題への対策を探している方にお薦め出来る一冊と考える次第です。

大まかな構成は以下の通りです。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

この目次を見るだけでも、「悩みや課題への対象方法」の全体像が俯瞰できて、参考になるものと思います。

『-はじめに-悩みとはなにか?-
第1賞 悩みは解決するな
第2章 悩みを分析する3つの軸
第3章 悩みを解決する3つの方法
第4章 見方を変えれば楽になる(視座転換その1)
第5章 自分だけで悩まない(視座転換その2)
第6章 言葉にすれば悩みは消える【言語化その1)
第7章 言語化する勇気を持つ(言語化その2)
第8章 行動すれば悩みは消える(行動化)
最終章 悩みが消える究極の方法
-最後に-
参考文献』

 

 

2. 自分の気付き、ToDo

本著の中で、特に印象に残り、私が気付きを得られた部分をいくつかご紹介します。

2-1>原因を取り除くことは難しい

第1章の「2「悩み」は少しづつ解消する」の一節。
本節で、樺沢さんは、『悩みの原因を解決する必要はなく、原因は保留したまま、やれることを、やれる範囲で、1つずつ片付けることが重要』と述べています。

これは、原因を知ることを放棄するのではなく原因は何かを押さえたうえで、その原因によって起きている不具合(悩み、問題点)への「段階的な対応」に注力するという事かと思います。

これは、大きな例では巨大地震などの天災への対応などが該当するかと思いますが、そこまで大きなものでなくとも、原因を取り除くことが難しいので諦めたりするのではなく、いわば「着眼大局着手小局」の意識で悩みや問題に対応するという方法は、
プライベートの悩みだけでなく、例えばDXの推進において、人材不足という原因を一挙に解決することは困難でも、基礎的なスキルの取得や外部専門家の支援(行政から民間まで)を活用する、特定の業務から着手していくなど、出来ることから始めていくなど、仕事の上でも役に立つ視点かと思います。

私もこの「原因の除去と事象(症状)への対処を分けて考える」という方法は、今後、仕事面でも生活面でも取り入れて行きたいと考えています。

 

2-2>【悩みの分析法1】コントロール率を数字で把握する

第2章の「1 コントロール軸 ~「コントロール感」で悩みは消える」の一節。

悩みへの対応を自分でコントロールできるレベルを数字で把握するというものです。
その際に、「0%か100%か」で考えるのではなく、その間のどの辺に位置するのかを数値化してみるというのは、
コントロール出来る部分の可視化という点でも、
悩み(課題)への対応の進捗を把握するというマネジメントの面でも重要な視点かと考えるので、特に仕事の中で、KPIを考える際の視点として取り入れて行きたいと考えています。

 

2-3>ニュートラルで見る

第4章の「2 意識すべき3種類の視座」の一節。

ポジティブ思考の正確な意味や、認知バイアス、事実と感情の分離などの、自分が置かれている状況を適切に把握するための注意点や対処法が述べられています。

この「認知バイアス」は、私も仕事や生活面でよく、「思い込み」や「先入観」で失敗するので、「自分には認知バイアスがある」という前提で、「自分はどのように認識しているか、それは事実に基づいているか」を常に意識して行動したいと改めて感じた次第です。

また、この第4章と第5章の「視座転換」は、本ブログトピックスでも何度かお話した、私が参加している「Signalプロジェクト」https://matt-english.com/ でも重要視されている手法であり、
私は、「螺旋的発展」や「発散と収束」、「温故知新」などの視点をよく使いますが、視座転換を有効に使う上で、どのような視座・視点の持ち方や転換の仕方があるかの引き出しを増やしておくことが重要と思いました。

 

2-4>「自己開示する」勇気

第7章の「1 相談できれば楽になる」の一節。

これも、大変重要な視点かと思います。
本ブログトピックスで常にアクセス数トップを維持している、
『「話すことによるストレス解消法」にみる「自己開示のメリット」とビジネスでの活用方法』 https://wp.me/p9D2bS-yQ でもこの「自己開示のメリット」とビジネスでの応用方法についてはお伝えしていますが、

本著においては、自己開示の返報性(相談された相手も自己開示しやすくなる)や、2-2>で取り上げたコントロール出来るかどうかの判断として、相談相手の心理はコントロール(予測)できないものなので、まずは相談してみるという姿勢の重要性を謳っています。

これは、相談や自己開示に限らず、悩みや課題に対応する際の心理的ハードルへの対処として意識すべき点と思います。

そして、このような自己開示などの方法を取る上で、本著の第6章で語られている「言語化のメリット・効能」は、問題と対処法の可視化が、対応策の実施だけでなく、自分や他者のメンタル面にも大きな影響を与えることが示唆されていると考える次第です。

 

3. ビフォア・アフター

私は、上記のような気付きから、一つは、「不安があれば、それをToDoに置き換えて、予定表に実施する日時も仮に設定して入れておく」という方法を行っています。

これは、以前にも若干は行っていたのですが、本著を読んで更に意識的に使うようになりました。

これも、「言語化」の一つの方法かと考えています。

また、「コントロールできることに注力する」という点も、逆に「コントロールできることは何か」と考え、それを増やしていくことで解決力を高めることが出来ると、これも言語化・数値化などの可視化により今まで以上に進めて行きたいと考えています。

また、「視座転換」は、今までSignalプロジェクトなどでは使っていましたが、個人的な悩みでも、使うことで、以前よりは心が軽くなってきたように感じています。

 

4. こんな人にお薦め

本著は、色々な悩みに共通する悩み自体の特徴と対処法が、言語化だけでなく、悩みの分析方法から悩みとは何かの認識方法など複数の方向から具体的に記載されています。

また、悩みへの対応の土台となる、私達の心身のコンディションの改善と維持という点についても解説されているので、

仕事、生活、健康面など多様な悩みや課題を持つ全ての人にとって、何らかのヒントを得られるものと、一読をお勧めする次第です。

『「言語化の魔力」 言葉にすれば「悩み」は消える (幻冬舎 単行本) 2022/11/9 樺沢 紫苑 (著)』 https://amzn.to/3LkDper

 

 

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