WACUL社のAI分析ツールにみる、提案営業の螺旋的発展

【今日のポイント】

AI分析で顧客企業のPDCAサイクル全体の改善支援を行うWACUL社のサービス。

属人的な能力に頼ってきた提案営業やソリューションビジネスの螺旋的発展の例としても、PDCAサイクル全体の改善支援というワンストップサービスの例としても参考になるものと考える次第です。

 

AIアナリスト」登録数が3万サイトを突破。データの「見える化」だけでなく改善方法の「分かる化」で、Webサイトの成果最大化のためのPDCA支援の拡大と浸透が進む

2019/10/21 AI分析ツールを提供するベンチャー企業 株式会社WACULは表記のリリースを公表しました。

(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『自社が保有するデータがあるにも関わらず、他社のある1事例で成果のでた改善手法を単純にまねてみたものの失敗するケースや、分析作業自体に時間を掛けすぎて、クリエイティブへ掛ける時間が制約されてしまうケースを多く見てきました。

そこで、WACULでは、データ分析のような機械に得意なことは機械に任せ、人間はよりクリエイティブなどの感情に訴える部分にフォーカスできる世界をつくろうと、「AIアナリスト」の開発に取り組んできました。

この「AIアナリスト」は無料で利用が開始できる月額課金制のSaaS型デジタルマーケティングのPDCAツールです。

Web行動データ(アクセス解析データ等)をつなぐことで、サイト内導線の改善やコンテンツの評価などを自動で行い、BIツール等に多い「数字の見える化」では気づけなかった「改善ポイントの分かる化」まで行う、新しいツールです。』

この『分かる化』の自動化と言うところに、AI活用のヒントがあるかと感じた次第です。

 

提案営業やソリューションビジネスの螺旋的発展

同社のリリースでは、このサービスについて、以下のように、PDCAサイクルのDoの部分にも改善提案を行うことを、その特徴としています。

『WACULのサービスは、これまでPDCAの分析~改善提案を行う「AIアナリスト」ではカバーしていなかった「Do=実装・実行」の支援にまで広がっています。

(中略)

「この広告は直接はおろおか間接的にもCVに結び付いていないため、ほかの広告に費用を割り振ったほうが良い」や「こういったキーワードでのコンテンツを増やすと良い」といったAIアナリストの提案に対して、実際に「コンテンツ制作」や「広告運用」についても、データに基づくDoの支援を、自動化を通じて低コストで提供できるよう、サービス開発を進めてきました。

流入獲得からCVR改善までをワンストップで提供することにより、PDCAをワンストップで支援し、Webの成果の最大化を支援していきます。』

AI分析によりPDCAサイクル全体の改善提案・支援につなげるという、提案営業の螺旋的発展とも捉えられるかと思います。

このように、従来はコンサルタントなどが行ってきた改善提案の属人的な能力をAIに置き換え、あるいは補完するというのは、AIの適用先の中でも大きな分野を占めているかと思います。

さらに、デジタル化によって知見の蓄積と共有・活用が大幅に加速する中で、大量のデータを処理できるAIの使いこなしの巧拙が、企業の生産性や競争力に大きな影響を与えることが窺えるかと思います。

また、PDCAサイクル全体をワンストップで支援することは、提案営業に限らず、他の分野でも応用できるサービスの形であり、それを自社の事業改善に利用する側としても、自社のサービスと結びつけて新規サービスを開発する側としても、参考になるものと考える次第です。

 

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