オプトグループのデジタルマーケター人材の開発研究機関設立にみる「ユーザーを巻き込んだ人材育成」

●【デジタル支援】オプトグループ、デジタルマーケター人材の開発研究機関「OPT HR Development センター」を設立
～グループ共同で研修プログラムを開発、育成ナレッジは企業へも販売～

2018/3/16に株式会社オプトグループは表記のリリースを公表しました。

http://www.opt.ne.jp/holding/news/gourp/detail/id=4308

（引用は『』でくくります。　太字と改行は筆者挿入、以下同様）

『テクノロジーの進化や消費者行動の変化により、多くの企業はマーケティング変革に迫られており、デジタル技術やデジタルメディアの活用がマーケターに必須の能力となりつつあります。しかし変化のスピードが速いダイナミックな環境下においては、企業がマーケティングへのデジタル活用能力を獲得することは容易ではありません。変化に柔軟なマーケター人材の育成を企業単体で対応することは、情報の量や情報鮮度の問題があり難しいのが現状です。

オプトグループでは、デジタルに特化したマーケティング専門会社を複数社有しており、大手企業から地方・中小企業、ベンチャー企業のマーケティングのデジタル化支援をしてきました。自社人材だけでなく、クライアント企業においてもデジタルに強みを持つマーケターを育成してきた実績があります。

OPT HR Development センターでは、オプトグループが有する人材育成に関するプログラムを集約し、ITのマーケティング活用ならびにビジネス活用能力を体系的且つ実践的に習得できるよう整備します。それらをグループ横断のナレッジマネジメントシステムとして社内教育に活用することで、人材育成の速度向上や効率化を実現します。またナレッジをベースとすることにより、社員においてもさらに高度で幅広い能力が獲得でき、企業により良いサービスを提供していくことが可能になります。』

デジタルマーケティングの支援から、自社内で培った人材育成のスキームやコンテンツ、システムを使った顧客の人材育成支援まで見据えた戦略ですね。

（株式会社オプトグループ　リリース記事より
http://www.opt.ne.jp/files/user/201803141437_2.png）

ＡＩ・ＩｏＴやデジタル分野での人材不足が大きく採り上げられる中、このようなユーザーとして必要な人材育成にまで踏み込んだサービス提供は、既に行われている自社の商品・サービスを利用したソリューションやコンサルティングサービスをバンドルして提供することと同様、今後いろいろな形で出てくるものと考えられます。

●　自社内向けのシステム等の社外向け転用

「ミニメイド・サービスの資格ビジネス進出にみる、知的資産の転用方法」
https://wp.me/p9D2bS-p9
で、家事代行サービスを手がけるミニメイド・サービス株式会社による「お掃除スペシャリスト講座」の開講を採り上げ、自社の知的資産の転用における自社ブランドへの配慮についてお話しましたが、

知的資産に限らず、自社内向けに構築したシステム、例えば富士通の自社内向けのコンピテンシー評価システムの外販や、パナソニックの自社内の知見をｅラーニングとしてまとめ、それを社外にも展開するなど、元々は自社内向けに開発したシステム等を同じニーズを持つ社外にも販売していくことは広く見られることかと主ます。

そういえば、私が愛用していたＮＥＣの「モバイルギア」も、元々は社内向けに開発して利用していたと聞いたことがありますが、「自分が売りたいものではなく、買いたいもの、使いたいものを開発する」という意味ではこのような自社内向けから社外向けというのは、これからも有効な方法ですね。

●　経営資源の構築の支援という視点から知的資産の活用を考える

自社内向けに使っている知的資産を、社外にも提供するという方法は、新規ビジネスの開拓や、現在の事業の強化に有用な方法ですが、その際に知的資産そのものだけでなく、今回の人材育成のように、自社の知的資産の構築の方法やそこでのノウハウを、顧客や取引先のノウハウ構築や人材育成の支援に利用するというのもまた、新しいサービスを考えるうえで、面白い視点ではないかと思います。

また、そういった相手の知的資産構築を支援するということは、より深く相手と関わることになるので、顧客理解や顧客との関係性強化という視点からも有望ではないかと考える次第です。

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