SleepTechがバズワードになる予感ー集中力アップによる生産性向上というビジネスチャンスの見つけ方

【今日のポイント】

人手不足への対策としての生産性向上という課題において、健康経営®への取り組みが進み始めています。

その中で、睡眠不足解消⇒集中力向上⇒生産性向上という対策もスマートフォンアプリやAI・IoTを用いて進められており、「SleepTech」というキーワードが「睡眠負債」のように脚光を浴びるのではと予感する次第です。

※>「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

 

● SleepTechを活用した「働き方改革・健康経営推進」睡眠改善プログラムをニューロスペースが2019年4月より提供開始、既に健康経営先進企業のロート製薬やフジクラが採用決定

2019/1/14にテクノロジーで人々の睡眠課題を解決するSleepTech(スリープテック)事業を展開する株式会社ニューロスペースは表記のリリースを公表しました。

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

『国内で初めて、SleepTechを活用した企業の働き方改革・健康経営推進を支援する睡眠改善プログラムを2019年4月より提供開始します。
本プログラムでは、ニューロスペースがこれまで60社、のべ1万人以上の多様な産業現場での睡眠改善を通じて蓄積した睡眠課題ビッグデータ・改善ノウハウや、IoT型睡眠計測デバイスで計測した個人の睡眠データを元に、従業員の日中の眠気発生時間帯やその程度を予測し、一人ひとりに睡眠改善アドバイスを行う助言アプリを提供します。これにより、ニューロスペースは従業員の睡眠課題を起因としたパフォーマンス低下を解消し、企業の働き方改革・健康経営推進に貢献します。また、本プログラムは健康経営先進企業であるロート製薬、フジクラで採用が決定しています。』

と、同社が蓄積してきた1万人以上の多様な現場での睡眠改善のノウハウとデータ、寝床のマットの下に設置する睡眠計測デバイススマホでの睡眠改善助言アプリを組み合わせて、従業員個人別の睡眠データをもとに日中の眠気発生時間帯やその程度を予測して、個別に睡眠改善アドバイスを行うというものです。

ニューロスペース社の睡眠解析プラットフォーム

同社リリース記事(PRTIMES_JPより)

https://prtimes.jp/i/20114/37/resize/d20114-37-454720-0.png

昨年の睡眠負債に続いてSleepTechが今年の流行語の1つになる予感を覚えました。

 

● 睡眠と集中力

同社のリリースでも、プレゼンティーイズム(出勤はしているものの、健康上の問題で労働に支障をきたし、最善の業務ができなくなる状態)による経済的な損失(試算結果従業員1人あたり年間約30万円)の内訳は肩や首の凝り(14%)に続いて、睡眠不足が2番目に大きい損失(11%、1人あたり年間約3.4万円)と指摘しています。

睡眠不足による眠気が集中力の低下や生産性の低下を引き起こしている現状が窺えますが、

以前のブログトピックス
「睡眠推奨制度にみる生産性向上へのニーズ」
でもお話したように、

人手不足や産業構造の改革の中で生産性向上が喫緊の課題となっている現在、企業の従業員のマネジメントは、労働管理からライフマネジメントへ移行しつつあるとの感を深くしました。

 

 

● 集中力向上による生産性向上に向けた健康経営の取り組みとビジネスチャンス

心身のコンディションを整えて集中力を上げることが、生産性向上に繋がることは、以前のブログで、樺沢紫苑さんの「神・時間術」 をご紹介する中でもお話してきましたが、

今後、集中力を上げることで生産性向上を図る流れが、個人単位だけでなく、「健康経営」という枠組みの中で定着していくのではないかと考えています。

行政等においても、経済産業省の健康経営銘柄の選定や健康経営優良法人認定制度、経団連の健康経営会議など官民の取り組みが進められています。

(健康経営への取り組みを俯瞰するうえで、以下のサイトが参考になるかと思います。
「健康経営とは」日本の人事部 )

個人の生産性向上から組織の生産性向上へ、さらに取引先や顧客などバリューチェーン全体の生産性向上に集中力をキーワードにして取り組んでみることは、既存事業の生産性向上だけでなく、社会課題への対応として新しいサービスや事業の創出にも結びつく可能性を持っています。

そして、知的資産経営の人的資産と構造資産を中心とした知的資産の維持・強化においても、SleepTech健康経営などのキーワードは今後重要な視点になるものと考える次第です。

 

● 関連する本ブログのトピックス

「睡眠推奨制度にみる生産性向上へのニーズ」
オーダーメイドのオリジナルウエディングをプロデュースする「CRAZY WEDDING」を運営する株式会社CRAZYエアウィーヴ社(睡眠量の測定サービスを提供)と協力して進めている睡眠推奨制度の紹介。

「吉野家のAIやIoTを活用した睡眠解析プラットフォームの採用にみる生産性向上の打ち手」
今回の記事で採り上げた、株式会社ニューロスペースが2017年10月11日に発表した、国内で初めて、AIやIoT技術を活用した睡眠解析プラットフォームによるサービス提供を、吉野家のシフト勤務者を対象にスタートしたとのリリースの紹介と、AI・IoT技術の適用先としての睡眠・生産性向上の可能性。

「「神・時間術」3ヶ月間実践の成果とは?」
樺沢紫苑氏の神・時間術を3ヶ月実践した結果紹介。確かに効果がありました。

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