ブロック塀対策とチェルノブイリツアーにみる防災意識維持の課題と対策

Alexas_FotosによるPixabayからの画像

【今日のポイント】

大阪北部地震から1年経って、補助金の活用が減っているとの記事に、災害記録や記憶の維持の難しさが窺えます。

ネットとリアル、フィクションとノンフィクションを組み合わせて風化を防ぎ、防災意識と体制を維持していく工夫が求められており、そこには中小企業にも貢献できる機会があるものと考える次第です。

  

ブロック塀撤去、各地で補助制度=風化で利用低下懸念も-大阪北部地震1年

2019/6/19 JIJI.COMに、表記の記事が掲載されていました。

ブロック塀対策の補助金の上限を引き上げても利用者が減少しているとのこと。
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」、「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉どおり、災害の記録と記憶の維持、防災意識の持続の重要性と難しさが窺われます。

 

● HBOの短期連ドラで、チェルノブイリ観光業が急増

一方、2019/6/1415分ビジネス英語では、表記のトピックスが掲載されていました。

 

2019/6/12 のCNNでも上記の事象が以下の題で報じられています。

『チェルノブイリに押し寄せる観光客、米テレビドラマで人気急増』

 

TVドラマというある意味オンラインでのエンターテイメントとリアルのエンターテイメントの相互影響と同時に、双方がコラボすることによる効果の大きさが現れている事例と感じた次第です。

 

 

ネットとリアルによる防災情報のアーカイブ化と活用

上記の記事と、大津波記念碑(大津波の被害をうけた地域の住民が、子孫への警告として設置した記念碑。)の記事などから、
「ネットとリアルによる防災情報のアーカイブ化と活用」が進むことが予想されます。

『大津浪記念碑(ウィキペディア)』

『先人の石碑『ここより下に、家を建てるな』を守って住宅を建てたために、集落が助かった。東北大震災』

今回の記事では、TVドラマがきっかけでチェルノブイリへの観光客が急増したとのことですが、ドラマのYoutubeを拝見して、改めてこの事故当時に自分が受けた衝撃を思い出しました。

人災、天災を問わず、過去の災害情報は、同じ被害を出さないためにも非常に重要なものですが、記録の風化や人々の関心の低下など、継続して利用することは中々困難かと思います。

ネットとリアル、フィクションとノンフィクションを組み合わせることで災害の記憶や記録の風化を防止し、

『企業向けハザードマップ事業にみる自社の知的資産活用と他業界との連携』
でご紹介した、イグアス社が提供するハザードマップに関する以下の記事のように、現在の科学技術の知見や環境情報を取り入れることで、利用しやすい形で過去の災害記録を防災情報として提供すること、

 

また今回のドラマとダークツアーのように、人々の防災に対する関心や意識を高めることが、サイバーセキュリティや地球温暖化による気象災害などへの対応を含めて今後さらに求められてくることが想定されます。

 

『自治体向けに培った災害ハザードマップの作成・評価ノウハウを企業に展開、事業継続計画の基盤ソリューション「ハザードマスター」6月1日よりイグアスがサービス開始』
2019/6/11株式会社イグアスのリリース。

以前、『ノートルダム大聖堂の大火災にみる文化財保護の資金調達へのデジタル化やブロックチェーンによる貢献』でご紹介したデジタルアーカイブによる大聖堂の再建は、それ自体は被災後への手当になりますが、災害のビフォア・アフターの記録の保管と再現という観点でも、参考になるかと思います。

 

そして、地域の防災という視点では、地域に根ざしたの中小企業の貢献の余地も大きく、自社の事業継続、BCPやBCMなどのリスクマネジメントと併せて知的資産経営報告書のSWOT分析などの手法、知的資産別の対応など、知的資産経営の手法も有効な防災検討のツールになるものと考える次第です。

 

 

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本ブログの関連トピックス

・『ノートルダム大聖堂の大火災にみる文化財保護の資金調達へのデジタル化やブロックチェーンによる貢献』https://wp.me/p9D2bS-12g

2019/4/15に発生したノートルダム大聖堂の火災事故。

建物に大きな被害を出した模様です。

貴重な文化財保護のための資金調達、マネタイズニーズの高まりと、デジタル化やブロックチェーン、3Dプリンターなどの新技術がそのニーズに貢献することへの期待が高まっていることが窺えます。

・『企業向けハザードマップ事業にみる自社の知的資産活用と他業界との連携』
https://wp.me/p9D2bS-164

自治体向けハザードマップのノウハウを民間向けサービスに転用した事例。

地域全体に関わる防災情報やバリアフリー情報などの知見は、業界横断的な価値を持っています。

既存事業のノウハウ転用と他業界との連携の双方を組み合わせて事業を展開し、その地域でのプラットフォームやエコシステムの構築を目指すことは、地域に根ざした事業活動を展開するうえで一つの選択肢となるものと考える次第です。

 

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