NASAの事故レポートにみるマネジメントシステムの進化への期待

【今日のポイント】

NASAの2009年と2011年のロケット墜落事故は部品製造企業のデータ捏造に原因があったとの記事。

巨額な損失を出したNASAですが、これを契機に、ブロックチェーンなどの新技術も利用した品質管理規格やマネジメント手法が開発され、他産業にも普及していく可能性が窺えます。

 

● NASA、欠陥部品で7億ドルの損失、新レポートで判明

2019/05/09の1日5分ビジネス英語に表記のトピックスが掲載されていました。

部品製造元のデータ捏造が原因のようですが、以前のフォルクスワーゲンの燃費の検査での不正など、企業不祥事が続いていることが改めて認識させられます。

 

● 新たなマネジメント手法や品質管理規格の創造と波及の予感

今回、NASAは被害者の立場ですが、このような事故(事件)から、「新しいマネジメント手法や品質管理規格の創造と波及」が予想できるかと思います。

現在、食品業界で用いられている、HACCP (Hazard Analysis Critical Control Point)は、NASAの有人宇宙飛行計画における宇宙食開発の中で生み出された管理手法を原型としています。

『Q0722.HACCPとはどのような品質管理手法なのか教えてください。』
(出典:中小機構 J-Net21)

本ブログのトピックス、『「火星探査のためのロボット蜂開発」に思う「開発環境・開発課題という資源」』
や、
『中国の月着陸にみる高度な課題設定という世界情勢を見るときのヒント』

などでもお伝えしたように、宇宙探査は非常に難度の高いミッションなので、科学技術だけでなく、そこで用いられるマネジメント手法なども高いレベルが要求されるかと思います。

以前に『イケアとNASAのコラボにみるイノベーションに有効な方法』
で、宇宙探査機という極小のスペースのために家具製品を開発し、そこで得た知見を地球上の都会の狭い住宅に適用する試みをご紹介しましたが、

製品やサービスだけでなく、こういった事故を契機に、ブロックチェーンによるトレーサビリティ技術なども適用した新しいマネジメント手法や品質管理規格が生まれ、やがて他の産業にも波及していくのではないかと予想する次第です。

 

● 本ブログの関連トピックス

『「火星探査のためのロボット蜂開発」に思う「開発環境・開発課題という資源」』

「火星探査」という「開発環境」「課題」も新たな「開発プラットフォーム」としての「資源」として捉えることも出来るかと思います。

特に、火星のように特殊な環境であれば、それだけ大きなブレークスルーを生む可能性が高くなりますね。

『中国の月着陸にみる高度な課題設定という世界情勢を見るときのヒント』

月の裏側への着陸や、火星探査のような難度の高い課題は、それ自体が科学技術の発達を促す貴重な資産ですので、AI・IoTと同じく、今後の中国の動向は要注目です。

『イケアとNASAのコラボにみるイノベーションに有効な方法』
北欧出身の著名な家具店イケアの、狭い空間に理想的なスマート家具製品を考えるうえで、何が宇宙旅行(火星への3年間の飛行を想定)を居心地のよいものにするのか調査し、そこから学んだことを地球の都会におけるスペースの限られた住宅に適用することを目的としてNASAと提携する試み。

自分の持つ知的資産の特性を極端に進めるとどうなるかを考えることは、イノベーションの有効な方法の一つと考える次第です。

 

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