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バケツリレー

【今日のポイント】

時代の潮流を探るキーワード。「集中と分散」のうち、情報伝達の分散化の方法の一つに「バケツリレー方式」があります。

すでに防災情報の伝達には利用が始まっていますが、今後マイクロ波などによるエネルギーのバケツリレーなど、情報以外の分野にも同方式が適用されて、社会インフラやビジネスの集中と分散に影響を与えるものと考える次第です。

 

● ソーラーパワーのワイヤレスタワー

今回は、ニュース記事などから時代の潮流を探る際のキーワードとして、先日のトピックスのキーワード「集中と分散」にも関わりのある「バケツリレー」を取り上げたいと思います。

2019/3/2の1日5分ビジネス英語に表記のトピックスが掲載されていました。

スペインにおける、ソーラーパネルを備えた自立型の通信タワーにより、有線を使わずに1億人以上のラテンアメリカの人々をインターネット接続可能にするとの壮大なプロジェクト。

ビジョンの大きさと実行力に感銘を受けました。

 

● バケツリレーによるつながりが広がる世界

今回の記事は、いわば、「バケツリレーによる繋がりが広がる世界」の一例かと思います。

通信では、ガスメーターの遠隔検針などでバケツリレー方式が以前から利用されています。

また、以下の記事のように、防災分野ではスマホによる災害時の通信基地機能停止時への対応としても「バケツリレー方式」利用が始まっています。

「災害時に「情報のバケツリレー」ー「FireChat Alerts」、米ベンチャーが発表」

2016/05/20の WirelessWire Newsによる緊急時に携帯通信網を使わずに警報や災害情報などを送信できる新たなアプリ「FireChat Alerts」に関する記事。

(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『BluetoothやWi-Fi経由でつながった端末同士が情報をバケツリレー式に送受信する。

ノードとなる端末は受け取った情報をいったん保存し、その後情報を受け取っていない他の端末と一定距離(約60mとされている)に接近すると、保存した情報を自動的に送信する仕組みだという。

オープンガーデンは、FireChat Alertsを、政府機関や救助隊員、報道機関などが緊急時にテキストや画像で情報を送る際に利用することを想定して開発したとしている。

同社によれば、全体の5%のユーザーがこのアプリを利用していた場合、都市部では通常20分ほどで、また人口が密集したエリアでは数分間で情報を行き渡らせることが可能だという。』

都市部では、全体のわずか5%のユーザーがこのアプリを利用することで、数分から20分ほどで、このアプリによって情報の伝達・周知が可能になるとのことです。

 

「高知市が同市の津波避難情報収集システムの一部にスマホdeリレーを採用」
東北大学のリリース。

『2018年1月20日,高知県高知市はスマホdeリレーを組み込んだ同市の津波避難情報収集システムを使用した訓練を,一般市民を含む約60人を対象に実施しました.

同市は,南海トラフ地震による津波で市街地の広域が長期浸水すると予測されています.

そのため,通信インフラの損壊あるいは停電による通信途絶の状況下でも,高台や避難ビル等に取り残された市民の避難情報を収集し,救助活動に活かすために,スマホdeリレーを使った避難情報収集システムを2018年に導入しました.』

高知市が同市の津波避難情報収集システムの一部にスマホdeリレーを採用

「スマホリレーで避難情報伝達、高知市、4月にアプリ配信」
2019/1/21 日経新聞の記事。
上記の東北大の「スマホdeリレー」を利用した、避難情報の伝達訓練の様子を伝えています。

 

● 複数の異なる規模、階層での情報のバケツリレー、そしてエネルギーのバケツリレーへ

上記のように、まずは防災関連からバケツリレー方式の情報伝達手段が進み始めていますが、

今後スマートメーターやスマートフォンなど情報発信機能を持つデバイスが、数多く存在するようになることで、情報のバケツリレーが様々な規模で重層化し、各情報伝達の内容を組み合わせて更に利便性や情報伝達の効果を高める取り組みも進むことと考えています。

さらに情報だけでなく、下記の記事のように、マイクロ波などを用いた「エネルギーのバケツリレー」も進む事で、

有線以外でのネットワークが広がり、そこに新しいビジネスチャンスとともに、情報セキュリティ、環境問題などのリスクも生まれてくるものと考える次第です。

マイクロ波を用いたワイヤレス電力伝送 (マイクロ波送電)の現状と課題

 

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