IDCのICT投資に関する調査レポートにみる、ライフサイクルの移り変わり

● AIやロボティクス、IoT、ARなどが世界ICT投資を加速–IDC予測

2017年10月18日、IT関連の調査会社であるICTが、IoTやロボティクス、人工知能(AI)、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)といった分野のテクノロジが、世界のICT投資を加速させていくという調査結果を発表したことが、ZDNetJapan に掲載されました。
https://japan.zdnet.com/article/35109013/

IDCの英文リリースはこちら https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prUS43163517

(引用は「」でくくります。 改行は筆者挿入、以下同様)
「ここでいうICT投資には、従来型のIT支出だけでなく、通信サービスに対する支出も含まれている。IDCによると、2020年には従来型のICT投資の伸びがGDPの伸びを下回るものの、新テクノロジを含めたICT投資の伸びはGDPの伸びの倍になる」

このように、AI、IoT等の新規技術に関する投資は順調に加速していくようですね。

一方、IT全体の投資が伸びるわけではなく、上記の記事では以下のように記載されています。
従来型のITおよび通信への投資は停滞し、大手のクラウドコンピューティング企業数社に流れるという。従来型のITへの投資は今後の5年間で毎年3~4%増加する一方で、通信分野への投資は毎年1%の増加にとどまると予測されている。」

現在も普及が本格的に進んでいるクラウドコンピューティングでも、投資の面では既に寡占化が始まっているようですね。

IDC https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prUS43163517

● ライフサイクルの短期化と細分化

AIを含むITの世界は、おそらく、最も変化が激しい業界ではないかと思いますが、
その中でも、AI、IoTとその他の分野ではライフサイクルが大きく異なっていることを伺わせる記事でした。

研究開発、あるいは設備等のインフラ構築にある程度時間がかかる業界では、投資と実事業のタイムラグは大きくなる傾向にありますので、研究開発を含めた投資動向は、業界の先行指標として参考になりますね。

今回の記事は、一括りにIT業界といっても、そのライフサイクルは分野によって大きく異なることを改めて教えてくれるものでした。

● ライフサイクルの細分化と短縮化

上記の通り、業界内でも分野によって、あるいは企業(またはカテゴライズされた市場によって)ライフサイクルが異なってくるという細分化が、ライフサイクル自体の短縮化と同時に進んでいることは、IT業界だけの話ではないかと思います(ライフサイクルの短縮化は、既に多くの業界で認められているものですね)。

 

● 先行指標を探せ

自社の事業や商品・サービスのライフサイクルの現状把握と今後の予測の重要性は、既に言い尽くされている感がありますが、現在のように、ライフサイクルの傾向が、細分化されてきている中では、今まで以上に綿密な検討が必要になるかと思います。

その際に、現在の業績を見ているだけでは間に合わないので、いかに有用な先行指標を見つけて、それをモニタリングしていくかが重要になりますね。

今回の記事のような投資、特に研究開発投資というのは、有望な先行指標かと思います。

こういった先行指標を探し出し⇒動向を把握し⇒自社事業のライフサイクルの予測に活かし⇒今後の事業戦略(価値創造ストーリー)を策定する人材と仕組み、これをサポートしてくれる社外の専門家もそれぞれ重要な知的資産であり、これらを充実させて行くために、知的資産経営の手法が役に立つと考える次第です。

 

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中小企業診断士ランキン

 

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