IT業界の連携に考えるIPランドスケープ等による技術動向把握の必要性

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【今日のポイント】

オープンイノベーションが進む中、自社だけでなく他社が誰と組むのかを知り、あるいは予測することの重要性は高まっています。

IPランドスケープなどの特許技術情報から自社の提携先を探すという手法は、逆に他社がどこと提携するのかを推測する手段としても役に立つことが期待できます。

提携関係からの市場動向予測

事業提携のニュースは、特に市場の開拓や利用される技術の進展が急速なIT業界などで多く目にしますね。

ある業界の主要なプレーヤーの提携関係とその変化をみる事は、今後どのような製品・サービスが伸びるのかの予測に資するものといえます。

 

特許などの公開情報の活用

もし、提携関係の変化を予測できれば、更に業界動向の先読みが可能になるかと思います。

そのためには、提携を考える企業が利用する情報と同じ情報を使えれば予測の精度が上がりますね。

ITに限らず、技術の影響が大きい分野での連携の予測には、提携を考える情報として、IPランドスケープの様な技術情報の活用の余地も大きいかと思います。

今までも特許などの公開情報の活用についてはお話ししてきましたが、以下の記事にもあるように、提携先を考える際のIPランドスケープの様な知財関連情報を、他社の提携戦略を予測する上で利用する事は、競合戦略だけでなくマーケティングとしても役立つものと考える次第です。

「攻めの知財」広がる ブリヂストンや旭化成 M&Aや新事業に活用 「専守」脱却』
2019/5/12の、日経新聞電子版。 (https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44455290X00C19A5TCJ000/

IPランドスケープ実践に役立つ知財情報戦略』 2019/5/14の、一般財団法人日本特許情報機構https://www.japio.or.jp/index.html)のサイトJapioYEAR BOOK 2017の記事。 (http://www.japio.or.jp/00yearbook/files/2017book/17_2_10.pdf

 

本ブログの関連トピックス

IPランドスケープ等の特許情報から他社の戦略を読むポイント』
昔から言われている、事業戦略・技術戦略・知財戦略の三位一体。

逆に公開情報である特許情報や、最近のサービス化に伴い商標出願の情報などから、他社の中長期の戦略を推測することも可能になってきます。

特許情報は、個別企業、業界全体などについて、時系列的に追えるデータですので、工夫次第でその活用方法も広がってくると考える次第です。

 

『特許情報活用にみる技術と市場の双方からの俯瞰』
特許出願のような、技術力をある程度客観的に評価する指標における主要なプレーヤーと、実際の市場における主要なプレーヤーを比較することは、
その技術が市場獲得に役立っているのか、あるいは表に出てこないバックヤードにおけるレイヤーマスターのような影響力を及ぼしているのかなど、その業界のプレーヤーの動向、ポジションを把握し、自社のポジショニングなどを考える上で良い示唆を与えてくれるものと考える次第です。

 

『ライバルを見つけるのに特許情報をどう役立てるか?』
知的財産は、知的資産の一部でしかありませんが、その分野で知的財産を持っているということは、それ以外の知的資産も持っている可能性が高いことは間違いないかと思います。

相手がわかれば、そのホームページや発表論文等で、さらに情報を集めることが可能ですので、「誰について情報を集めるべきか?」を知る上で、特許情報も役に立つと考える次第です。

 

『サムスンの商標出願に考えるモノ売りからコト売り時代の他社の動向把握方法』

サービス化や「モノ売りからコト売りへ」の流れの中で、サービスなどの名称の重要性は増しています。

いち早く良い名前を商標出願などで確保することで他者に先に取られたり、他者の権利を侵害するリスクを回避するとともに、特許出願と同様に他者の商標出願からも、相手の商品・サービスの開発戦略を推測できる可能性があります。

 

『「特許マーケティング」にみる「属性評価と鳥瞰図」の重要性』

特許情報の重要な特性として、
その技術分野と適用するニーズ(解決したい課題)分野の両方が、分類コードと言う形で付いているので、定量的な属性把握が可能なこと、
時系列での変化を追うことが容易なこと
2点が挙げられるかと思います。

そして、技術(シーズ)と課題(ニーズ)の双方から、その業界・市場の鳥瞰図を描くことが可能であり、また、その鳥瞰図の時間変化を追うことで、今後の技術・ビジネスニーズの変化の方向性をある程度予測することも可能になってきます。

 

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