酒造所のオンライン見学会ー顧客生涯価値の向上と顧客理解の促進
【今日のポイント】
日本酒メーカーによる酒蔵見学会のオンライン化、製造過程のYou Tube配信など、リアルイベントのオンライン化が進んでいます。
これを知的資産経営の視点を用いて企画することで、リアル見学会以上に参加者の範囲を広げ、通販などにつなげることによる顧客生涯価値の向上やイベントでの反応を含む顧客情報の共有による顧客理解の促進などにもつながるものと考える次第です。
【目次】
1.白鶴「酒蔵開放」オンラインイベント開催決定!
2.オンライン化を知的資産経営の視点から企画することによる顧客生涯価値の向上
2021/9/13に白鶴酒造は、表記のプレスリリースを公表しました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同じ。)
『YouTube Liveにて「酒蔵見学」と「日本酒と料理のペアリングセミナー」を実施します。全国のお酒好きのみなさまのご参加をお待ちしています。
また関連企画として、前回ご好評いただいた日本酒とワインの福箱を、「スマイルBOX」と「ハッピーBOX」としてオンラインショップから各100セット限定で販売します。』
⇒ You Tubeを利用した酒蔵見学とセミナー双方を組み合わせたイベントです。
以前のトピックス『映画の公開期間の変化と酒造所のオンライン見学会にみる、バーチャルとリアルの組み合わせ方のヒント』
では、株式会社一ノ蔵のオンライン見学会をご紹介しましたが(同社は2021/10/1に蔵見学会を再開したとのプレスリリースを公表しています)、先月9月には、やはりYou Tubeライブで「特別純米酒のひやおろし」を紹介しています。
『一ノ蔵 特別純米酒 ひやおろし YouTubeライブ』
ZOOMやYou Tubeを利用したオンラインイベントとオンライン販売との組み合わせは、通販や直販の拡大などの流通経路の改革、英語等による海外配信を利用した海外展開、幅広い参加者を集められる見学会により自社および自社製品の詳細を知ってもらう事によるブランド発信などの目的から、他の業界でも今後更に活用が広がるものと改めて感じた次第です。
2.オンライン化を知的資産経営の視点から企画することによる顧客生涯価値の向上
上記のような、工場などの見学会や試飲会などのリアルイベントのオンライン化は、上述のようなブランド構築、通販の拡大、顧客の反応のデジタル化による顧客情報の取得と共有、他部所の業務状況の社内共有など、知的資産活用の面からも色々と参考になるかと思います。
人的資産の面からは、見学窓などから眺めつつ、見学担当者の説明を聞く場合と比較して、生産担当者が顧客に直接解説することで、生産に携わっている方達も顧客を身近に感じ、モチベーションを向上させるとともに、自分の仕事の意義を再確認する機会にもなるかと思います。
構造資産の面では、製造の解説画像と実際の工場内の装置稼働の画像、そして解説者の画像などを組み合わせたコンテンツの作成は、例えば人材採用時の企業紹介など、コンテンツの複合利用や更新の容易さの面でもオンライン配信と相性が良いと感じます。
また、社外向けだけでなく、自社内での知見や他部署の様子の共有、顧客の反応を社内で共有することで、人材育成や社内の一体感の醸成にも利用可能かと思います。
関係資産の面では、生産担当者の直接説明やYou Tubeライブのように、ライブ配信とその後の録画配信で何度も顧客に発信することで、顧客の信頼感や親近感を高め、オンライン販売のリピーターとなっていただく効果も期待できます。
このように、従来のリアルイベントをオンライン化する上で、知的資産経営の面からその効果を複数かつ連携させて考えてイベントを企画し、顧客接点の確保と顧客生涯価値の向上に役立てることが、ウィズコロナの現在、業界を問わず有効性を増すものと考える次第です。
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