米国大学の『the』の商標出願にみる、教育機関のプロモーション活性化
【今日のポイント】
オハイオ州立大学による「The」の商標出願。
大学間のプロモーション競争の激化と、商標活用の活性化が窺えます。
このような動きは、分野、国を問わず今後現れる傾向の一つと考える次第です。
2019/8/30の1日5分ビジネス英語に表記のトピックスが掲載されていました。
オハイオ州立大学による「The」の商標出願を報じたものです。
なお、「The」の商標出願は、オハイオ大学が初めてではなく、今までにもファッションデザイナーのマーク・ジェイコブス氏などが出願しているとのこと。
あらゆる言葉が商標出願の対象になる時代だと改めて感慨を深くした次第です。
●教育機関の競争激化とプロモーション活性化
今回の記事と、以下の記事などから、は、「教育機関の間での競争激化によるプロモーションの活性化と商標の活用の推進」が予想できるかと思います。
米国での大学間の競争に加えて、州の教育予算が減っていることなどから、大学側も自分の大学の教育制度を改善することに加えて、積極的なPRを必要としていることが推察されます。
『米国における学生ローンの現状と危機-連邦政府の財政と米国経済の成長、 人々の将来に影響を及ぼしている』
2017/12/28 大和総研 全7頁
『米国の学生ローン危機、今後さらに悪化の恐れ-授業料・金利上昇で』
2018/10/18 ブルームバーグ
上記のようなプロモーション競争の中で、マスターカードの音のロゴ採用(ソニックロゴ)をなどの事例にもみるように、
ロゴなどの視覚的なデザインに加えて音も含めた「五感」の活用(その中には、動画やXRも含まれてくるかと思います)と商標などの知的財産権による権利化の動きが活発になることが予想されます。
そして、その先には『ソニーのREON POCKETにみる「個人の感覚のデザインから感情のデザイン」への流れ』
や
『「もふもふ」の人気にみる、AR・VRの一つの方向性』
でもお伝えしているような、
「個人の感覚のデザイン・マネジメント」と、更には「感情や感性のデザイン・マネジメント」に繋がっていく流れを予想する次第です。
● 商標や特許、採用情報からの他社・他業界の動向把握
なお、今回の大学の商標出願などからは、『サムスンの商標出願に考えるモノ売りからコト売り時代の他社の動向把握方法』
でご紹介した、サムソンのスマートフォンについて、同社のスマホ機能に対する商標出願から、ブロックチェーン技術を使ったスマートフォンを開発しているのではという予測を採り上げた2019/1/13のCoin Coiceの以下の記事
『サムスン(Samsung)が独自ブロックチェーンスマートフォン開発か』
のように、サービス化や「モノ売りからコト売りへ」の流れによってサービスなどの名称の重要性が増している中、他者の商標出願からも、相手の商品・サービスの開発戦略やプロモーション戦略を推測できるものと改めて考えた次第です。
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