セブンイレブンの24時間営業問題にみる新規サービス開発時や生産性向上時のリスク予測のヒント>コストとリスクの発生箇所と負担者の変化を見る
【今日のポイント】
フランチャイジーのコンビニ店への24時間営業の義務、見切り販売の制限などが問題視されているセブン-イレブンですが、コンビニに頼った収益構造が問題の背景にあるとの指摘が出ています。
自社事業全体、さらにはバリューチェーン全体を見てその中での、リスクの発生箇所と負担者、コストの発生箇所と負担者をWINーWINや三方良しの意識の意識を持って見直すことが求められていると感じる次第です。
● 「セブンが24時間営業を見直せない理由は「収益構造」にある 」
2019/4/15のダイヤモンド・オンラインに表記の記事が掲載されていました。
(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)
『24時間営業問題がトップ交代へと発展したセブン-イレブン・ジャパン。
会社のセブン&アイ・ホールディングスの業績に目を向けると、課題事業の構造改革が進んでいないと分かる。
コンビニ依存の収益構造が、24時間営業の見直しに二の足を踏ませている。』
コンビニ以外の事業の影響にも言及されていますが、コンビニに絞ってもかなり課題解決が困難な事が窺えます。
ただ、コスト転嫁では立ち行かない段階の様にも感じられます。
● バリュチェーン全体でのお金の流れ、リスクの発生箇所と負担者、コストの発生箇所と負担者を見直す
公正取引委員会の調査を受けて、アマゾンが全ポイント制を撤回しましたように、単なるコスト転嫁やリスク転嫁は、今回のような社会批判(レピュテーションリスク)や法的リスクを招く可能性もあります。
そしてSNSなどにより、消費者側の情報発信力が高まった現在では、そのリスクはますます増大していくことが容易に想像されますね。
現在、技術上のイノベーション以上に、ビジネスモデルのイノベーション促進が叫ばれていますが、ビジネスモデルを変える際に、自社の将来ためにも、WINーWINや三方良しの意識が必要なことを今回の記事は示唆しているかと思います。
そのような意識を持ちつつ、変革を実現するためには、
「中抜けによる「双方の顔の見える化」の効果」
でお伝えしたような、ユーザーと直接つながるルートの確保や、
「宅配事業とEC事業の連携にみる可視化の有効性とバリューチェーン全体での対応の重要性」 でお伝えしたように技術開発や過剰品質の是正、ICTによる取引先との連携強化などによる、バリューチェーン全体でのコスト削減や生産性向上による収益率向上が求められていると考える次第です。
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