ソニーのREON POCKETにみる「個人の感覚のデザインから感情のデザイン」への流れ
【今日のポイント】
ソニーの、携帯型空調機「REON POCKET」のクラウドファンディング目標達成は開始からわずか1週間。
ニーズと関心の高さを現していますが、あのウォークマンとの関係でみたときに、「個人の感覚(ウォークマンは聴覚、今回は温冷感)のデザイン・マネジメント」という流れを感じさせます。
そして、その先には「感情や感性のデザイン・マネジメント」に繋がっていくものと予想する次第です。
2019/7/29ソニーはクラウドファンディングで資金を募集していたREON POCKETの目標額到達について、表記のリリースを公表しました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『この度はREON POCKETにご支援頂きまして誠にありがとうございました。
2017年から検討を開始し、約2年の月日をかけて本日に至るまでに、ご支援頂いた皆様をはじめ多くの方々からのサポートを頂いたこと、この場を借りて、メンバー一同心より御礼申し上げます。
数多くのコメントを頂戴しておりますので、1つ1つ拝見し、皆様にお喜び頂ける製品をお届けさせて頂けるようにいたします。
お届けまでいま暫くお待ち頂けますと幸いです。』
7/22からわずか一週間での目標達成。
その注目度と、潜在ニーズの高さを窺わせます。
ソニーのクラウドファンディングサイトはこちら
本製品は、ペルチェ素子を使って、首の後ろを冷やし、または温めることで、温冷感を調節しようとするものですが、ソニーのデバイスの熱制御に関する技術が詰まっている一品の様です。
製品説明はこちら
動画はこちら
暑さをしのぎたいというニーズ、特にクールビズといえでも、時にはスーツを来なくてはならないビジネスマンにとって、無視できない魅力があるのではないでしょうか。
私も販売されたら、ぜひ購入したいと思いました。
● ウォークマンの系譜に連なる「個人の感覚のデザイン・マネジメント」
今回の記事からは、「AI・IoTにより、個人の感覚のデザイン、さらに感情のデザインが進む社会」が窺えるかと思います。
・ソニーは個人の感覚の中でウォークマンによって音楽を外に持ち出すというライフスタイルを通じて、聴覚(とその使い方)をデザインしたと言えるかと思います。
・今回、「感覚(五感)のデザイン」という切り口で観てみると、ソニーのウォークマンとReon Pocketは、同一の流れに沿っているとも感じました。
・また、アップルはiPodによって、「所有する全ての音楽を持ち運ぶ」という聴覚の使い方をデザインしたとも言えるかと思います。
・今回のソニーのReon Pocketとスマートウォッチを連携させれば脈拍、体温などから温冷感を最適化することが可能になるかと思います。
・更に、スマートグラスなどによるXRと合わせて複数の五感をデザイン(マネジメント)することも可能かと思います。
・このように、ソニーやアップル等は、自社の製品・サービスを通じて、「個人の感覚をデザイン(マネジメント)する」方向に進んでいるかと思います。
・なお、私も使っていますが、スマートフォンでは個人の脈拍や睡眠時間を記録し、推移を視覚化することが出来ます。
・以前のトピックス
『フェイスブックの仮想通貨「リブラ」に予想する、税と手数料の違いが曖昧になる世界』でご紹介した
『GAFA×BATH米中メガテックの競争戦略(田中道昭著)』
でも、アップルはアップルウォッチ等を通じて、今後メディカルビジネスのプラットフォーマーを目指すと指摘されています。
したがって、「個人の感覚(五感)を総合的に最適化するデザイン(マネジメント)」ガス? 、その先では、先程の睡眠アプリのようなメンタルヘルスを含めた、「個人の感情や集中力等のデザイン(マネジメント)」に進むものと予測する次第です。
なお、上記では個人の感覚のデザインについて述べましたが、
2020年東京オリンピックに登場するトヨタの競技支援ロボット、平壌オリンピックでの5G活用などは、「リアルとネットを通じたイベント参加者の感覚・感情のデザイン」がAIやXRでどのように進むかという視点で観ても、参考になるものと思います。
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