豊岡でのトヨタ式「カイゼン」による農業の生産性向上 にみる知恵の流れとフィードバックの重要性
● トヨタ式農業で成長を 「カイゼン」で生産性向上 豊岡で講演
2018/11/6の兵庫経済プラスに表記の記事が掲載されていました。
(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)
『 トヨタ自動車(愛知県)の強さの源泉の一つである、品質や効率重視の「カイゼン(改善)」。4年前に農業分野に参入した同社の担当者がこのほど、兵庫県豊岡総合庁舎(豊岡市)で講演し、カイゼンの手法によりイネの苗生産の余剰分を数値化して2割削減した実績などを紹介。「業務改善でまだまだ成長できる」と農業の可能性の大きさを語った。(山路 進)』
と、農業へのトヨタ生産方式、その「カイゼン」の適用と実績を紹介しています。
『 農業では約10年前から、衛星利用測位システム(GPS)やパソコンを使った作業効率化のシステム開発が進む。県内でも、農機具メーカーや通信会社、県の研究機関などのシステムが使われている。トヨタは2014年、農業IT管理ツールを開発。全国20道県の約80経営体が使っている。
灘波氏は、高齢化などに伴う人手不足から「大規模化や法人化が進む農業のIT化は必須」と指摘。点在する受託ほ場を、作業者の位置が表示されるパソコンやスマートフォンの地図で管理し、契約田と間違って田植えするなどのリスクをなくした事例を紹介。作業の進み具合や栽培履歴などを「見える化」し、経営者や従業員間で共有することの重要性を訴えた。』
と、仕事の「見える化』の重要性と有効性を説いています。
「中抜けによる「双方の顔の見える化」の効果」
で、自社と顧客双方の活動やニーズの見える化が、顧客との関係強化につながる事例を紹介しましたが、
AI・IoTや人工衛星を用いた「見える化」は、業界を問わずというよりも、むしろAI・IoT等の導入が遅れている業界・産業こそ生産性向上の視点から非常に重要な手段になってくることが窺えるかと思います。
また、トヨタ方式という、生産管理の進んでいる分野・企業の方法を、他の業界に導入するという手法は、
「(点と点をつなぐための)「知」の効率的導入方法」
でもご紹介した、「最近自業界で重要とされていることに、以前から取り組んでいる他業界から」という知恵と知見の導入方法の良い事例ではないかと思います。
● インプット⇒アウトプット⇒フィードバックによる螺旋的進歩
同記事では、
『 さらに、苗生産の2割削減のほか、作業のたびに内容や開始・終了時間をシステムに記録することで終業後の日報記録を省力化できる点を強調。整理整頓や清潔清掃などトヨタで「5S」と呼ぶ手法の応用にも触れ、工具置き場を整理することで工具を探す時間を1日で6分、年換算で24時間の短縮につながることなど効率化の意義を語った。』
と、日々の作業記録の自動化などの効用を紹介していますが、作業記録が簡易になり、デジタル化で利用しやすくなれば、記事にもあるような生産性向上や時間短縮の効果の確認にも力を発揮しますね。
この作業記録などから打ち手を考え、実行し、その結果から更にカイゼンを行っていくという、
インプット⇒アウトプット⇒フィードバックによる業務プロセス改革と生産性向上は、樺沢紫苑さんの「アウトプット大全」にもつながる生産性向上の基本と改めて感じる次第です。
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