オイルショックの歴史に考える「増える」ことの脅威と「無くなる」 ことの脅威

● 【日本のエネルギー、150年の歴史④】2度のオイルショックを経て、エネルギー政策の見直しが進む

 

2018/5/29の資源エネルギー庁のコラムでは、表記の題で、2度にわたるオイルショック、それに伴って起こったエネルギー政策の大きな変化と、石油に依存したエネルギー体制からの脱却をめざした1970~1980年代の日本のエネルギー史を採り上げています。

http://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/history4shouwa2.html

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

『昭和48年(1973年)の晩秋、日本全国のスーパー店頭からトイレットペーパーや洗剤が消えました。オイルショック(石油危機)の影響です。「石油供給が途絶えれば、日本は物不足になるのでは?」。そんな不安感が人々を買いだめ・買い占めに走らせ、一方で売り惜しみや便乗値上げなどをする小売店も現れました。

(中略)

第1次オイルショックのきっかけは、昭和48年10月に勃発した第4次中東戦争でした。OPECが原油の供給制限と輸出価格の大幅な引き上げを行うと、国際原油価格は3カ月で約4倍に高騰したのです。これにより、石油消費国である先進国を中心に世界経済は大きく混乱。石炭から石油へと舵を切り、エネルギーの8割近くを輸入原油に頼っていた日本も例外ではありませんでした。』

と、石炭から石油へエネルギー源を変えた日本が、第4次中東戦争(1973年)によって起きた第1次オイルショックで、受けた深刻な影響を記載しています。

私は当時、中学生でしたが、いわゆる「トイレットペーパー騒ぎ」は今でも記憶に残っています。

資源エネルギー庁サイト http://www.enecho.meti.go.jp/about/special/shared/img/mv066p9fpv8.jpg

『第1次オイルショック前5.7%だった一般消費者物価上昇率は、昭和48年には15.6%、昭和49年は20.9%と急伸。鉱工業生産指数については、第1次オイルショック前の昭和46~48年度の平均が8.1%だったのに対して、昭和49~50年度の平均はマイナス7.2%となりました。』

と、物価の高騰と高度経済成長の終焉につながって行き、その後のエネルギー政策にも大きな転換をもたらしたことはご存知のとおりです。

 

● 「あること、増えること」の脅威と「無くなる、足りなくなること」の脅威

堺屋 太一氏の著書「油断!」 (日経ビジネス人文庫) で、氏は、
公害など、何かが出てくる、増えることの脅威よりも、
必要不可欠なものが「無くなる」脅威の方がはるかに深刻であると述べていますが、

エネルギー問題はまさに「無くなる」脅威の典型ですね。

また、「少子高齢化」も、「高齢者が増える」こと以上に「子供が少ない」ということの方が本質的な問題ではないかと思います。

また、高齢者の増加自体についても、年を取ることが問題なのではなく、高齢者が働き続けられる場や、社会に参加し続けられる仕組みなどが「足りない」ということが問題かと思います。

環境問題もCO2やマイクロプラスチック(プラスチックのゴミが海洋に流出し、微細な粒子になって生態系に悪影響を及ぼすもの)が「増える」のも、人類の活動範囲が地球全体に広がったことで、活動の結果出てくる廃棄物、副産物を捨てられる「外界」が「無くなった」という見方もできるかと思います。

もちろん、自然や社会に悪影響を及ぼすものが「増える」脅威も問題ですが、「無くなる、足りない」という脅威は、代替手段が無い場合は更に深刻なものと考えられます。

 

● 「無くなる」リスクを想像する、チャンスにならないかも考える

中長期的には、自社の強みやその裏付けとなる知的資産が、環境の変化や自社内部の変化(経営者やスキルを持つ熟練者の高齢化など)で無くなる、足りなくなるということはある意味避けられないことかと思います。

また、AI・IoT、ICT(通信技術)などの新技術によって、その環境変化のスピードが速くなることで、リスクの顕在化のスピードも早まることが、どのような業界においても今後出てくることが考えられます。

人材や顧客、取引先などの知的資産が「無くなる、足りなくなる」というリスクを意識しつつ、普段から相談先を作っておく、次の手を考え準備するなどの備えを怠らないためにも、今回のエネルギー史のような過去の事例を参考にして、将来のリスクに想像力を働かせることの重要性を改めて感じます。

また、自社にとっての「無くなるリスク」だけでなく、社会にとって、あるいはお客様や取引先にとっての「無くなる、足りなくなる」リスクを考えることは、より切実なニーズを掴むチャンスにもなり得るものと考える次第です。

 

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