TrexEdgeが目指すスマートビレッジにみる地方創生における仕事と生活の両立のヒント
【今日のポイント】
AI・IoTを活用したスマートビレッジなどの地方創生。
「職住接近」から「職住一体化」への流れとビッグデータを活用する上で、グローバルなベンチャー同士の連携など、新しい事業連携の流れの双方が進んでいることが窺われます。
● 農業×IoTで「地方」を変える――TrexEdgeが目指すスマートビレッジとは
以前のニュースで恐縮ですが、
2018/8/27のbusinessnetwork.jpに表記の記事が掲載されていました。
(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)
『TrexEdgeは「AI/IoT技術で地方の未来価値を最大に」という理念を掲げ、2017年6月に設立されたスタートアップ企業である。
池田氏によると、スマートビレッジとは欧州発の考え方。
「欧州には大都市用のスマートシティと地方用のスマートビレッジというコンセプトがあり、地方での生産から大都市での消費に至るまでのバリューチェーンを効率化するための研究が進んでいる」。TrexEdgeは、こうした欧州のモデルを参考に、農業をメインにスマートビレッジの実現に挑んでいる。』
と、AI・IoTを活用して、農業をメインにしたスマートビレッジの実現を目指すスタートアップ TrexEdgeの取り組みを紹介しています。
以前に、「オプティムの農林水産・流通加工・食品産業向けAI・IoT・Robotプラットフォームにみるトレーサビリティ市場の広がり」で、ブロックチェーンによるトレーサビリティプラットフォームを農業・林業・水産業・流通業・加工業・食品業に提供するオプティム社の取り組みや、
「日本卸売市場のAIによる漁獲予測の成果の鍵を握るものは?」
でAIを用いた漁場予測シスtメウや漁獲予測システムをはこだて未来大学と共同開発している日本卸売市場株式会社の取り組みなどをご紹介しましたが、
AI・IoTやビッグデータの活用が第一次産業を軸にした地域振興や地方創生でも進んでいることが窺われ、大変心強く感じました。
● 人工衛星を利用した営農支援スタートアップ「スペースアグリ」
私の友人が設立した企業に、北海道で、人工衛星からの画像データを利用して、農業者向けに生育マップとして提供する「スペースアグリ」というスタートアップがあります。
同社が利用している衛星画像は米国の宇宙ベンチャーが撮影したものとのことで、グローバルなベンチャー同士の連携によって日本の農業に貢献している事例と言えるかと思います。
このように、AI・IoTに限らず、新規技術を用いた第一次産業支援は随所で進められており、今後ARやVRなどを用いた農業教育や営農支援による生産性向上や事業承継も進んでいくものと期待しています。
● スマートシティ、スマートビレッジにおける「住」と「職」の一体化
以前、
「「閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済」にみる中小企業の活路のヒント」
や、
「少子高齢化時代における中小企業のビジネスのヒントとは?」
でも採り上げたように、少子高齢化と環境問題への対応の中で、
コンパクトシティやスマートシティ、スマートビレッジは重要な選択肢となるかと思います。
そして、「「空き家対策補助事業とAI・IoTによる営農ビジネスから考える地域創生」
でもお伝えしましたように、その中には、住環境、子供だけでなく大人にとっても人生100年時代に必要な学びの機会を提供する場、そして経済的な安定を得るための仕事が全て揃っている必要がありますね。
その地域に即した仕事が必要となるだけでなく、モバイルワーク、テレワークとは別の次元で、文化的な面も含めて生活と仕事は今後不可分一体になってくる可能性が高いかと思います。
上記のように、働き方改革からの視点と、地域振興、地方創生の視点の双方が必要となっている中で、スマートアグリなどの地域の特性に応じた産業のAI・ICT適用が求められており、そこにスタートアップを始めとする中小企業のビジネスチャンスも見つけられると考える次第です。
● 関連する本ブログのトピックス
・「第一次産業へのAI・IoT適用にみる「データ管理のプラットフォーム化」の重要性」
信州大学のAIによる酪農家の生産性向上への取り組みのご紹介。
AI・IoTの活用においては多様なプレーヤーとのコラボレーションが必要であり、データー管理とその共有も大きな課題でありまたビジネスチャンスともなり得ます。
・「経産省のスマートコミュニティ事例集の使い方」
経済産業省のスマートコミュニティ事例集 とその活用方法の紹介。
エネルギーや防災がメインですが、その中に職住接近のニーズ、子供の教育機関の重要性や大学の研究機関などの効用なども記載されています。
・「「空き家対策補助事業とAI・IoTによる営農ビジネスから考える地域創生」
少子高齢化時代の対応策としてのコンパクトシティにおける「仕事」の確保は重要な課題です。
AI・IoTと農業の組み合わせもその有望な選択肢のひとつと感じます。
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