(点と点をつなぐための)「知」の効率的導入方法
● SIGNALプロジェウトに参加して
2018/6/1にSGNALプロジェクト(未来の予兆を探る)の第1回ワークショップに参加してきました。
主催者のマット竹内さんを始め、参加者の皆さんはバックグラウンドも様々ですが、皆さん一様に意識が高く、まさに多士済々で、今後のプロジェクトの進め方についても、大変建設的なディスカッションで大いに盛り上がりました。
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● 点と点をつなぐ
上記のワークショップの議論を通じて改めて、「一見関係のなさそうな点と点をつないで、未来を予測する」という手法を身に着けたいと感じましたが、そのときに、自分があまり詳しくない分野の知識から、どのようにヒントを得るかということを少しまとめて考えて見たいと感じた次第です。
1)水は高い所から低い所へ:抽象度の高い学問領域からの手法の導入
これは今から40年位前に、古典的な手法導入の手段として聞いたものです。
数学のように抽象度が高い学問の方が、モデル化などの解析手法も発達しやすく、汎用性が高いため、自然科学では、数学⇒物理学⇒化学⇒生物学⇒その他工学系の方向に学問の手法や考え方がトランスファーされる傾向があります。
この方法は、自社に関係する工学分野の動向を考える際に、これらの領域よりも抽象度の高い学問領域の動向を見る事で参考にするといった使い方が有効かと思います。
2) 自分野より周期の短い分野から理論を導入する
これは、研究を始め仮説構築~検証のサイクルが早い分野では、それだけ研究やビジネス手法の開発などが早く進むので、理論・解析手法などの進歩も早くなることを利用するものです。
例えば遺伝の研究においてショウジョウバエのような世代交代の早い対象を使った研究成果から人間他の遺伝上の振る舞いを考察するのがこれに当たります。
経営学や社会科学で言えば、PDCAなどのマネジメントサイクル(設備投資など経営上の打ち手の結果が現れる時間)が自業界より速く回っている業界(例えば装置産業に対するサービス産業やIT業界)の経営手法・理論、現象を自業界の経営の参考とすることがこれに当たります。
例えば、AI・IoT分野で就職する人の就職先の選択基準における、自分の能力開発や自己成長、自己実現を支援してくれる制度の充実度の優先順位は大変高くなっている聞きますが、この傾向は今後他業界でも更に顕著になるだろうと考えられます。
働き方改革に対するニーズの変化などについても、このような予測方法は有効かと思います。
3)最近自業界で重要とされていることに、以前から取り組んでいる他業界から
これは大変一般的なやり方かと思います。例えば、規制緩和への対応についていえば、最近の電力・ガス業界や以前の金融業界、あるいは海外の規制緩和への対応を参考にすることがこれに当たります。
また、生産財の販促には、顧客へのアピールという点で一日の長がある、消費財の業界の販促手法を取り入れると高い効果が期待できるかと思います。
よく、顧客満足度を上げる研修のお手本として一流ホテルのサービスが取り上げられるのも同じ理屈からと言えます。
また、生産現場における品質管理手法をサービス産業の品質管理や経営管理に応用することや、発想法の手法をマーケティングや商品企画に利用する例も良く見かけるところです。
4)お金の集まっている分野から手法を導入
お金が集まる所には才能も集まれば競争も激しいわけで、ビジネス手法や競争力強化につながる手段の開発にも自然お金と人がかけられ、洗練されてきます。
例えば金融工学からの手法導入(ブロックチェーンの仮想通貨以外への適用)は最近よくニュースで見かけますね。
また、原子力産業、軍需産業などからの技術移転は古典的といっても良いほどです(軍需産業の場合は、予算規模もさることながらR&Dの目的(防衛、国益の確保)が通常の企業活動(利潤の追求)と異なることから、企業に無い発想に基づくアイデアを得られるという利点もあります)。
5)とにかく自業界、自分の業務分野から離れた業界、分野
自分に近い領域は、普段も(意識するか否かを問わず)参考にしていますし、何より競争相手も同じ情報を持っていることが多く、アイデアの差別化要因にはなり難いと思います。
煮詰まったときにはやはり意識して自分からなるべく離れた分野から参考例を探してくるのも一つの手です。
6)お手本を探す前に:「切り口」の準備、「目的のメタ化」
以上ヒントや手法を探す分野についてお話しましたが、
一見関係の無さそうな分野からもヒントを得るには、現在自分が持っている問題の本質は何か、目的は何かを押えた上で、一般化する(メタ化)とヒントを見つけ易くなります。
このメタ化はよくマーケティングで顧客ニーズを幅広く捉えるために使われており、鉄道産業の顧客ニーズは「鉄道の利用」ではなくて、「移動する事」であるとか、「電動ドリルを買う顧客」はドリルではなく「穴」を買っているなどの例を、マーケティングのセミナーなどでお聞きになった方も多いと思います。
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