DXプロジェクトの進め方にみる、プロセス分解と統合の方法
【今日のポイント】
DX(デジタルトランスフォーメーション)の課題に関する解説記事。
意思決定者としてのプロダクトオーナーの役割の重要性と共に、プロセスに分解してそれぞれに適した手法を適用し、更に統合して全体最適を図ることの重要性が窺える事例かと思います。
2019/10/15の日経×TECHに表記の記事が掲載されていました。
筆者は、プロジェクトマネジメントの専門家で、JQ代表 取締役の下田 幸祐氏です。
(引用は『』でくくります。 改行は筆者挿入、以下同様)
『自社ビジネスの変革を目指して多くの企業が取り組むDX(デジタルトランスフォーメーション)プロジェクト。
いくつもの成功事例が出ている一方で、苦戦している企業も少なくありません。
基幹系システムの開発と同じ進め方をすると、DXプロジェクトでのシステム開発はうまく進みません。
複数企業のDXプロジェクトの運営を手掛けてきた筆者が、DXプロジェクトをうまく進めるためのポイントを解説します。 』
複数トピックスに分かれていますが、最初の『DXやるなら必読、縄張り争いや「お見合い」を防ぐチームの作り方』を読んでから関心のあるトピックスを読まれてはと思います。
意思決定者としてのプロダクトオーナーと、その役割など、組織づくりと運営の重要性が窺われるかと思います。
● アジャイル導入の注意点
同記事の以下のトピックス、
『「DXプロジェクトはアジャイル開発でしょ」と安易に考えると失敗する』
この中で、アジャイル開発に向いたプロジェクトの条件と、プロセスについて解説されています。
アジャイル開発に向いたチームの要件とプロダクトオーナーの役割など、ここでも組織・体制の影響の大きさが重視されていますが、アジャイル開発やDXに限らず、新技術導入や業務改革全般にも通じるところかと思います。
また、プロジェクトの性質がアジャイル開発に向いているかと同時に、アジャイル開発が適用できるプロセスと適用が困難なプロセスとを明確化することも必要と説かれています。
● プロセス毎に分解して考え、そして統合する事を繰り返す
『医療分野でのAI、AR、RPAの導入にみるプロセス分解とインターフェースによる繋がりの両立の重要性』
でも取り上げたように、AIやAR、VR、RPAなどによる生産性向上の動きは進んでいます。
プロセスに分解して自動化を考え、さらにデータ間、プロセス間のインターフェースも改善することにより、プロセスごとに適した自動化と全体最適の両立が図られるものと思います。
また、以下の記事でお伝えしたように、労働生産性の向上を評価するための、データや指標利用においては、事業や作業をプロセスに分解して具体的な裏付けの基に打ち手を考えることと、上位概念からそれらの打ち手を統合して全体最適を図ることの双方が必要となってきます。
『データサイエンティストが語る生産性にみるプロセスの分解と統合の併用』
また、PDCAサイクルのデジタル化などについても、P(計画づくり)の段階にプロセスの設計も入れ、プログラムのサブルーチンのように入れ子構造で短期のPDCAを回すことが、プロセス改善の一つの手段となります。
今回の記事のように、このプロセスの分解の後の統合の段階においては、プロダクトオーナーの役割は大きいものがあります。
おそらく、その役割は、中小企業ならば経営者やその後継候補が担うものかと思われます。
このように、自社の業務プロセスの分解と統合の繰り返しは、リーダーの人材育成にも参考となる視点と考える次第です。
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