「説明は速さで決まる」を読んで-コピーライティングの技術の汎用性-

【今日のポイント】

数々の賞を受賞したコピーライターが、コピーライティングの技術を「説明」に活用する方法を伝授。

説明の意識の持ち方、準備方法、役立つフレーズやキーワード、スキルの使い方と適用先・応用方法などを大変わかりやすく教えてくれる実践的な本です。

「分かりやすく、相手に伝わる説明がしたい」と考えている方にお薦めの一冊です。

 

● 『説明は速さで決まる』中村圭 著 きずな出版

先日、『説明は速さで決まる~ 一瞬で理解される「伝え方」の技術~』を読みました。

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数々の賞を受賞したコピーライターの著者がコピーライティングの技術をベースに「分かりやすく、相手に伝わる説明の技術 」を解説しています。

各章に、一言のまとめとサマリーが入っていて大変分かりやすく、私も一気に読むことが出来ました。

そういう意味で、本書自体が「説明の技術」の見本となっていることに感服下次第です。

本書の構成は以下のとおりです。

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

『はじめに 説明の悩みは「速さ」が解決する

序章 説明にスピードが求められる時代になった
・相手の時間を奪わない説明が一番評価される
・現代人の脳は聞いたことのない話が大好き

第1章 ターゲット思考
・コピーライターの技術はタイムマシンである
・まずは文章から短くするべき理由
・「説明の宝箱」を見直そう

第2章 最速説明マップ
・「説明が苦手」の正体、お教えします
・話が長くなってしまう原因
・説明は分解すれば怖くない

第3章 透明ルート標識
・あなたの言葉はそのままでは伝わらない
・「ポイントは3つあります」の問題点
・コピーライターはこっそり「説明のルート」をつくる

第4章 脳内ナビ・ワード
・相手を話に引き込んで最後まで飽きさせない技術
・たとえ話

第5章 無意識クラクション
・ポイントをさりげなく強調して印象に残す
・あえて同じ言葉を重ねてみる
・文章には落差をつけろ

終章 シチュエーション別で見る「説明のコツ」
・上司への説明(上司が途中でしゃべりはじめたら?)
・部下への説明(パワハラと言われないために)
・打ち合わせ(無理に話さなくてもスムーズに進む方法)
他』

心に響く言葉と、今日から使いたいスキルが満載です。
契約業務などの面でも大変参考になりました。

以下に、特に参考になった点をいくつか挙げて見たいと思います(『』内は本書の言葉、()内はその中に出てきたキーワードや私なりの解釈です)。

 

● 速い説明の重要性

『相手の時間を大切にする』(基本の心構え、ここから自分何の工夫も始まりますね)

『速い説明のできる人が、稼げる人になる』(クラウドファンディングなど個人も資金調達できる時代、分かりやすい説明の可否が稼ぎを分ける)

『説明の宝箱を見直そう』(過去の自分の説明資料の見返し。フィードバックの重要性に通じるものがあります)

 

● 相手に合わせた説明とツール

『ターゲット思考』(顧客志向、相手目線)

『相手と同じ言葉を使う』(コーチングや傾聴、うなづき)

『複雑な方法は習慣として定着しない』(シンプルなフレームワーク、手法を組み合わせて利用)

顧客目線など、マーケティングやコンサルティングにも通じるものがあります。

 

● 説明の準備と可視化(見える化)の重要性

『話す内容を全て出す』(自分の内面の可視化)

『箇条書きで説明の地図を描く』(説明ルートの可視化)

『緊張する場面は可視化のレベルを上げる』(TPOに合わせた準備)

先ずは自分や自社の持つものを全部出して可視化するところは知的資産経営やSWOT分析にも通じるものがありますね。

 

● 相手にイメージさせる言葉、フレーズの活用

『説明は分解すれば怖くない』(分解して具体化すると道筋が見えてくる)

『言いたい事をイメージさせる透明ルート標識』時代、挑戦、卒業など相手が説明の道筋をイメージできる言葉の活用)

『ビフォア&アフター型フレーズ』「▲▲▲から●●●へ」と課題と目標の提示に)

説明する相手と説明する自分の双方にとって可視化やイメージングは大切ですね。

 

  ⇒「大きな仕事は大きく分ける」

よく、「大きな仕事は分解せよ」と言いますが、分かっていても中々出来ないのは、いきなり細かく分けようとする所にも原因があります。先ずは仕事の流れに沿って、大きく分けてから、各固まりをさらに分けていくと、大きな仕事も分解しやすくなります。

また、仕事の流れに沿って分けるので、スケジュールにも落としやすくなりますね。

 

● 例え話や慣用句の活用

『相手に合わせた例え話を使う』(趣味や関心事でオーダーメイド感を提供)

『専門用語も例え話で』(「仙骨を立てる」をどう例える?)

『慣用句をアレンジして使う』(相手との共通認識を活用)

契約アドバイスの仕事を例えるならなら「アクセルとブレーキ、ハンドルとサーチライト」なども使えるかと思います。

また、『韻を踏む』というテクニックにも触れられていますが、ローマ字を使ってその使い方やズラし方が具体的に説明されていて大変参考になりました。

 

● ビフォア・アフター

今までも、相手に伝わりやすい文章を書くことは、仕事やブログなどでも意識していましたが、

本書を読んで、例え話や、話す内容をすべてザラ場に出してから話の構成を考えるなどを心がけるようになりました。

ブログやツイッターでも活用していきたいと思います。

また、本書に『目標は自分への説明』、『目標の言葉を工夫すれば忘れにくくなる』という言葉がありますが、今まで明確に意識していなかったので、自分自身や組織の目標設定に活用していくつもりです。

 

● こんな人にお薦め

本書は、説明が苦手な人、説明が長くなりやすい人、とにかく説明する機会(文書、プレゼンなど)が多い人には大変役に立つスキルと意識の持ち方を提供してくれます。

また、前述の『目標は自分への説明』の言葉にもあるように、説明以外にも参考になるところが多々あり、多くのビジネスパーソンに役立つものと考える次第です。

なおKindle版も出ているので、単行本、電子書籍どちらでも購読可能です。

『説明は速さで決まる 一瞬で理解される「伝え方」の技術 (きずな出版) Kindle版 中村 圭 (著) 』

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