ヘルステック企業の特定保健指導プログラムにみる、心理面も含めた導入ハードルの低減

【今日のポイント】

特定保健指導プログラムの実施率向上を支援するメディロム社のサービス。

指導を受ける側だけでなく、その導入決定者や指導業務の担当者の負荷を下げるとともに、その効果をフィードバックすることで、導入促進と実際の効果(提供価値)の双方を向上させる事例かと思います。

 

● ICTと「Re.Ra.Ku」活用の特定保健指導プログラムを「データヘルス・予防サービス見本市2019(厚生労働省主催)に出展

2019/11/22に、健康増進から医療まで一貫して提供できるヘルステックカンパニーを目指している株式会社メディロムは、表記のリリースを公表しました。

(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『当社は、アプリ(チャット)を利用した特定保健指導で実施率の向上に加え、プログラム期間中の脱落率低下およびプログラム終了時の改善効果上昇に貢献いたします。

初回面接をWEB遠隔で行うことにより対象者の時間・場所の制限を軽減すると共に、アプリ(チャット)という手軽さで申し込む際の心理的ハードルを下げます。期間中の継続的支援では、アプリを通じて共有される対象者の生活習慣記録をもとに、支援者が週2回チャットでアドバイスを行い、対象者を細やかにサポートします。頻度の高いコミュニケーションにより、早期から信頼関係を構築することでプログラム終了まで寄り添います。

支援内容に関しては医師監修のメソッドを用い、厳しいカロリー制限や激しい運動を勧めるのではなく、食事バランスの調整や日常の歩数を増やすことから始め、無理なく長く続けられる生活習慣形成を目指します。手間なく続けやすい仕組みで、終了率と改善効果に貢献いたします。

その他、保健事業ご担当者にとって負担になっている業務負担を軽減すべく、初回面接の日程調整や対象者への案内状作成も当社にて行わせていただきます。』

指導を受ける側、保健業務担当者など関係者の心理面も含めた負担軽減策は、施策導入時の課題対応の参考になるかと思います。

 

導入から利用までのフローの中の関係者毎に支援策を用意する

上記のような、いわゆる伴走型支援サービスは、英語等の学習支援、人材育成や経営支援などで広く行われていますが、

今回、メディロム社が提供するサービスの採用の面を見ると、特定保健指導の実施率の向上を図りたいという、企業の担当部門に対して、どのような提供価値を用意しているかと考えれば、健康指導の入り口となる保健業務担当者の業務負担の軽減がまずは効果を発揮するかと思います。

加えて、エンドユーザーの心理面、時間面の負担の軽減を図り、指導を受ける継続性をアプリで支援するという点でも、人材育成・学習等の分野と共通しています。

 

サービス利用の効果のフィードバックが提供価値向上に及ぼす影響

メディロム社のリリースには、以下のように、同社のサービスによる定量的な改善効果が掲載されています。

『<導入事例>
当社開発のプログラムを株式会社SUBARUの従業員様25名に90日間行いました。
各対象者に担当の指導者がつき、アプリのチャットにて食事・運動・睡眠に関する生活習慣のアドバイスを行なったところ、参加者の終了率は92%、平均で体重-5.0kgの変化があり、最も変化のあった方では体重-15.0kgという結果が得られました。』

マーケティングではよく、「お客様の声」をサイトなどに掲載することが、「口コミ」と併せて活用されていますが、効果のフィードバックを市場向けとユーザー向けに行うことは、商品・サービスの導入時だけでなく、自社のサービスを信頼していただくことで、特にメンタルや感性などに関連する分野では、実際の効果を増大させるという点でも非常に重要かと思います。

(効果を疑いながら使用する場合と、信じて使用する場合では、実際に上がる効果に差が出てくることもよく目にするところかと思います)

このように、導入時のハードル、利用時のハードルを下げると共に、その効果をエンドユーザーと導入決定者にフィードバックすることが、自社商品・サービスの普及と、顧客提供価値の向上の双方からますます重要になってくるものと考える次第です。

 

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