サイゼリヤの現金決済にみる、ICT導入時のタイミングのヒント

【今日のポイント】

キャッシュレスに踏み切るタイミングを図っている「サイゼリヤ」社長のインタビュー記事。

負のレガシーを回避するリスク対策と共に、アマゾンなど他企業の動きから自社の市場を把握する「他者の目の活用」なども参考になるものと思います。

現金決済にこだわる「サイゼリヤ」、社長が真意を明かす

2019/11/19の日経ビジネスに表記のインタビュー記事が掲載されていました。

(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『庄司 容子 日経ビジネス記者
政府が10月の消費増税に合わせて始めたキャッシュレス決済のポイント還元事業。都市部を中心にキャッシュレス決済に対応できる店舗が増えているが、そんな「キャッシュレス祭り」に一歩引いている企業がある。イタリア料理チェーンのサイゼリヤだ。国内約1100店舗の8割が現金決済。なぜ、現金決済にこだわるのか。堀埜一成社長が真意を明かした。』

最終的にはキャッシュレスに乗るとしながらも多くの決済手段が登場する中での時流の見極めを図っている点、

アマゾンとの提携に踏み切るスピードと、アマゾンの日本市場の見方を日本市場の特殊性を図る情報源として活用している点など、

インフラ導入のタイミングの取り方、他社の市場把握の活用、社内の負荷と優先順位など、色々と参考になるかと思います。

● ICTインフラ導入時の課題とポイント

『AIプラットフォームのベンダー比較にみる、システム導入時のリスク管理と顧客囲い込み』
や、

『文春のWeb開発外注にみる、リーンスタートアップとユーザーデータ利活用の関係そしてレガシー対策』
などでもお伝えしてきたように、

サービスやシステムを導入する際に、自社の特定の事業や業務だけで閉じて使うのか、社内全体や場合によっては取引先とも共有して利用するのかなど、その使い方、使う範囲によって特定のスペックやフォーマットに縛られるリスクを判断することが必要になってきます。

また、環境変化が激しく、事業にスピードや敏捷性(アジャイル)が求められる現在、事業と開発やブランドなどの戦略のタイムスパンを整合させることも重要であり、その一つの方法として事業提携や外注により外部資源を適宜利用するということも、必須の検討項目となってきているかと思います。

「外の目」を自社や業界の評価に活用する

上記のように、競争はもちろんのこと、外部との連携を考える際に、自社が事業を行う市場を外部がどの様に捉えているかを知っておくことは大変有効な情報になり得るかと思います。

その点で、アマゾンやグーグルの日本市場への入り方は、先方が日本をどう見ているかの参考になるかと思います。

セブンイレブンのコンビニの立地が、他のコンビニの参考にもなるという話にも通じるものがありますね。

ICT導入のタイミングを図る際にも、自社の都合だけでなく市場がどの様に動いているかを把握する上で、「社外(業界外)の目」を意識して情報収集することは、今後重要性を増すものと考える次第です。

 

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