新型iPhoneの指紋認証復活の予測にみる、特許情報と螺旋的発展の視点の活用

mohamed HassanによるPixabayからの画像

【今日のポイント】

新型iPhoneでは「指紋認証が復活する」との予測記事(実際には2020年以降にお預けになったようです)。

特許情報や既存スマホの売上動向を根拠として挙げています。

特許情報と市場での商品売上動向という客観的なデータと、「指紋認証の螺旋的発展」という、物事の変化に対する視点や知見の双方の重要性を示唆する事例化と思います。

 

顔だけ? それとも……新型iPhoneの生体認証、指紋復活なるか?

2019/9/4 のITmediaに、表記の記事が掲載されていました。

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

『「指紋認証が良い」「ホームボタンがどうしてもほしい」という理由で、あえてFace IDを搭載しない旧機種を購入する人も少なくない。

そのようなこともあってか、2019年の新型iPhoneでは指紋認証機能の復活を予測する記事も見受けられる。

知的財産権の観点からAppleの動向を追っているサイト「Patently Apple」によると、Appleが光学式指紋認証に関する特許を米国で取得したことが確認されているという。』

既存機種(その企業や競合他社製品など)の売上げ動向と特許情報の組合せで他社の製品今後の動向を予測する事例と言えるかと思います。

実際には以下の記事にも見るように、9月11日の新製品発表会では、新型のiPhone11シリーズでは指紋認証は復活しなかったようですね。

『【速報】新型iPhone発表|スペック・価格・発売日その全貌が明らかに』

ただ、他のメディアでも特許情報を今後の指紋認証機能復活の根拠として挙げている記事を目にしています。

2020年には指紋認証が復活するとの予測も出ていますので、そのときに登場する指紋認証機能は、いわゆる「螺旋的発展」とも捉えられるかと思います。

 

特許情報など客観的データによるユーザーニーズ推測の裏付け

本ブログでも特許情報や商標の情報による他社の戦略の予測は何度か採り上げていますが、

IT業界の連携に考えるIPランドスケープ等による技術動向把握の必要性』

『アマゾンの求人情報への解説記事にみる公開情報を利用した他社の戦略推定』
の中でもご紹介したように、

昔から言われている、事業戦略・技術戦略・知財戦略の三位一体を逆から見れば、公開情報である特許情報や、最近のサービス化に伴い商標出願の情報などから、他社の中長期の戦略を推測することも可能になってきます。

また、特許出願のような、技術力をある程度客観的に評価する指標における主要なプレーヤーと、実際の市場における主要なプレーヤーを比較することは、

その技術が市場獲得に役立っているのか、あるいは表に出てこないバックヤードにおけるレイヤーマスターのような影響力を及ぼしているのかなど、その業界のプレーヤーの動向、ポジションを把握し、自社のポジショニングなどを考える上で良い示唆を与えてくれるものとなりえます。

また、サービス化や「モノ売りからコト売りへ」の流れの中で、サービスなどの名称の重要性は増しています。

従って、特許出願と同様に他者の商標出願からも、相手の商品・サービスの開発戦略を推測できる可能性があります。

そして、上記のような(他社の観測(予測)も含む)他社の技術開発動向と市場動向から、、自社の顧客や取引先の情報だけに頼らずにユーザーのニーズや市場の動向を探ることは、より客観的な知見を得る上で有効な手段と考える次第です。

 

● 螺旋的発展の短周期化

なお、指紋認証手段の螺旋的発展については、

『『ニュータイプの時代』を読んで-自己改革の重要性』
でご紹介した『ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』
の著者、山口氏の指摘のように、

ーズと環境の急速な変化と不確実性の増大(VUCA化)の中では、特許情報や人口予測などの先行指標の活用とともに、自分自身の時代認識や世界観なども重要になってくるかと思います。

そこでは、『デジタルハリウッドの地域のICT教育力向上支援に考える柔軟な考え方と学習能力の醸成』でもお伝えしように、

事業に必要な個別のスキルだけでなく、学習する能力や意識自体の醸成が個人・組織双方のレベルで必要とされていると改めて感じる次第です。

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