高級ブランドの従業員モデル起用に予想する、マーケティング視点からの働き方改革と知的資産の捉え方
【今日のポイント】
バーバリなどの高級ブランドがコレクション発表で従業員をモデルに起用するという動きからは、商品・サービスの提供者による情報発信がSNS等で変化している様子が窺えるかと思います。
そこでは、従業員満足度やエンゲージメントの重要性の増大と、人的資産の捉え方も随時見直しが必要なことを示唆していると考える次第です。
2020/8/1のmsnに、表記の記事が掲載されていました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『チーフ・クリエイティブ・オフィサーのリカルド・ティッシは、2021年春夏プレコレクションのカタログを彩るモデル達を社内から見つけたという。』
このコレクションについては、2020/09/14の1日5分ビジネス英語でも取り上げられています。
『従業員、ファッションブランドのモデルになる Employees turn models for fashion brands』
従業員がモデルになる。高級ブランドとしては、かなり思い切った作戦とも感じますが、今後もこのような方法が広がるのか、興味を惹かれます。
● ネット・SNS社会における生産者の情報発信の複合化が進み、働き方改革にも影響を与える
今回の記事と、以下の記事などからは、「ネット・SNS社会における生産者の情報発信の複合化が進み、働き方改革にも影響を与える可能性」が窺えるかと思います。
『バーバリー ラグジュアリーブランドとして初めてTwitchと提携、ファッションショーをライブ配信バーバリー・ジャパン株式会社 2020年9月14日 』
2020/9/14のバーバリー・ジャパン株式会社のプレスリリース(PRTIMES_JPより)。
上記の記事にもあるように、ラグジュアリーブランド以外では既に行われていた、従業員のモデル起用に近い例としては、
例えば、農業においては、自分が作った作物について、その苦労話や、美味しい食べ方など含めて生産者ならではの情報発信を行う事が以前から行われています。
北海道 富良野の寺坂農園のブログ(読むだけでも大変楽しく、勉強になると感じます)。
また、通信販売と直売所の併用など、ネットとリアルの組み合わせも既に普通のものとなっていますが、
SNSなどの情報発信手段が更に普及してくる中で、商品の提供者ならではの情報を発信し、更に消費者と交流する形のマーケティング・プロモーションが、分野を問わず進んでいる事が、今回のラグジュアリーブランドの従業員モデルにも現れているものと感じます。
そして、従業員が企業にとって重要な情報発信源となる事は、従業員満足度や従業員のエンゲージメントの重要性の向上にも繋がるため、マーケティング視点からの働き方改革もまた進むのではないかと考える次第です。
● 知的資産としての人的資産の活用範囲を広く捉える
従業員自身からの情報発信は、有効な自社の広報手段としての活用が多くの業界で広がっていくことが予想出来るかと思います。
逆に、従業員の不満もSNSなどで発信・拡散し易くなっていますので、レピュテーションリスクのマネジメントの上からも、従業員満足度の向上やエンゲージマネジメントは重要になることが、以下の記事などからも窺えるかと思います。
『シフト管理SaaSサービス「らくしふ」運営のクロスビットが2億円調達』
2020/9/26の株式会社クロスビットのプレスリリース(PRTIMES_JPより)。
『今後は、企業のシフト管理の効率化だけではなく、AIを用いた需要予測と最適労働力配置により、企業のさらなる利益向上を実現するサービス開発に取り組んでまいります。』
⇒コミュニケーションによる社員のモチベーション向上支援機能等、効率化に併せて人材育成等の機能も重視されていく事が窺えます。
知的資産経営における人的資産が、ブランドや取引先、顧客との信頼関係など関係資産や構造資産の分野でも重要性を増しており、その相互関係はSNSなどの外部環境によっても変化するため、
自社経営戦略と各知的資産の関係も随時見直していく事が必要と改めて感じた次第です。
★ この記事がいいなと思ったら、クリックよろしくお願い申し上げます(^^)。
※>本ブログのトピックスの中で紹介している事例の中で取り上げているサービスや商品等は、解説のための参考として挙げたもので、
当研究所として推薦するものではありませんので、他の選択肢や導入の要否含めて、自社の状況に応じてご検討いただければ、大変幸いに存じます。