インサイトのブロックチェーンを用いた信用情報プラットフォーム開発にみる大企業との連携の機会

● ブロックチェーンと決済データを組み合わせた信用情報プラットフォームの開発 ~アクトコールグループのインサイト、ソフトバンク・テクノロジー、シビラと3社で共同開発を開始~

2017年1月5日に、アクトコールグループで決済ソリューション事業を営む株式会社インサイトは、表記のリリース記事を掲載しました。
(引用は「」でくくります。 改行は筆者挿入、以下同様)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000355.000007357.html

開発の背景として、
・個人情報が大量にインターネット上に蓄積されるに従い、そのセキュリティリスクが問題となっている。
・シェアリングエコノミーの加速にともない、見知らぬ個人間の取引が急増しており、取引相手の信用情報が重要となっている。
・上記の課題に対応するためには、従来の金融機関以外が管理する信用情報とその管理システムが必要。

との課題意識から、
「■新しい取り組みについて
インサイトが創業以来培った家賃決済代行のノウハウ、電気料金などの生活決済データと不動産ビックデータとブロックチェーン技術を組み合わせ、多角的な情報を集約し管理する次世代型の信用情報プラットフォームを構築します。」

と、クラウドを中心としたICTサービスを提供するソフトバンク・テクノロジー、ブロックチェーン技術を持つシビラとの協業で、信用情報プラットフォームを構築するとのことです。

 

● 基盤となるシステムにマイクロソフトの「Microsoft Azure」を採用

また、上記のシステムではソフトバンク・テクノロジーを通じて、マイクロソフトのプラットフォームを採用しており、プレスリリースには、日本マイクロソフトからのコメントも記載されています。
「日本マイクロソフト株式会社は、インサイト様、SBT様、ならびにシビラ様による不動産ビックデータとブロックチェーン技術を組み合わせた信用情報プラットフォームの開発に『Microsoft Azure』が採用されたことを心より歓迎いたします。
(中略)
今後も弊社は、インサイト様、SBT様、ならびにシビラ様との連携を通じて、お客様のデジタルトランスフォーメーションに寄与する革新的なクラウド環境を提供してまいります。」

 

● 大手企業のプラットフォームを中小企業が活用する

株式会社インサイトは、2006年設立ですが、同社のHPを見ると、
2011年から2016年にかけて、取り扱い高、契約件数とも約5倍と急成長していますね。

https://www.insite.vc/company/

同社は、自社をITを活用した不動産事業社(ReFinTech※ 企業)と位置づけており、自社の元々もっている不動産の決済関連のノウハウに、AIやITを活用した不動産事業社の活用によってレバレッジを掛けることで、ソフトバンクグループや、日本マイクロソフトなどとも提携して、事業を拡大している様子が伺えます。

※「ReFinTech は、不動産テック(ReTech:Real Estate Tech)とファイナンス・テクノロジー(FinTech:Financial Technology)の造語」

 

● 自社の知的資産を核にして、AI・ITでレバレッジを掛けて「強み」を作る

インサイトの例は、元々持っている自社のノウハウという知的資産に、自社および他社のITやAI、ブロックチェーン等の技術を組み合わせることで新しいビジネスモデルを作り、そこに大手企業のプラットフォームも引き込んで新規市場の創出と事業拡大を目指しているものですね。

自社の知的資産を核として、新規技術や他社のプラットフォームサービスなどを使ってレバレッジを掛けることで、大手企業とも提携できる「強み」を構築し、関係資産の拡大・強化を図っていることが分かりやすい事例かと思います。

御社でも中長期の事業構想を練るうえで、自社の知的資産で、AI・IoTなどの新技術や他社のプラットフォームなどのインフラを使ってレバレッジをかけると、どんな新しい「強み」と「お客様への新しい提供価値」が生まれるか、大手企業との連携も視野に入れて考えてみてはいかがでしょうか?

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