人気ブロガーへの規制にみるインフルエンサーマーケティングの法規制の変化と知的資産

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

【今日のポイント】

3万人以上のフォロワーをもつ人への規制を検討・導入する動きが各国で出てきています。

SNSの影響力の広がりの現れであり、ビジネスチャンスとリスクの双方の面からウォッチすることが必要となってきています。

 

● 30,000人のソーシャルメディアフォロワー、有名人のステータスの新しい基準

2019/7/18 15分ビジネス英語に表記のトピックスが掲載されていました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『広告主基準局(Advertisers Standards Authority: ASA)は、ソーシャルメディアで30,000人以上のフォロワーがいる人は「有名人」と見なされるという判決を下した。

したがって、彼らは製品を支持する時は、本物の有名人に適用されるすべての規則に従わなくてはならない。』

3万人のフォロワーがいる人気ブロガーの投稿がきっかけとなった英国当局のルール策定。

SNSマーケティングやインフルエンサーマーケティングの広がりを逆に感じさせられますね。

「個人の情報発信力と影響力が組織に匹敵する時代に適したルールとその作り方が求められる世界」

今回の記事からは、「個人の情報発信力と影響力が組織に匹敵する時代に適したルールとその作り方が求められる世界」となりつつあることが窺えます。

他国の例では、デンマーク政府は、フォロワー数が33万人を超える同国の女性のインスタグラムへの遺書投稿を受けて、インフルエンサーの投稿内容を、報道機関の倫理基準を適用して規制する方針を明らかにしたと以下の記事で報じられています。

『デンマーク、オンライン上の「遺書や自殺の書込み」制限を検討 報道倫理を適用と』

エジプトでも、2019/7/15議会が5000人以上のフォロワーがいるSNSの個人アカウントを報道機関として扱い、報道規制法の対象にするという法案を可決したとのことです。
『エジプト政府、フォロワー多いソーシャルメディア利用者を規制へ』

上記のデンマークの記事では、SNSと従来のメディアは異なるため、SNS向けの新しい仕組みを作るべきであると主張する活動家も紹介されています。

個人の情報発信力の増大に法規制側が追いついていない中で、今後AI・ICTの発達で更に両者の乖離が大きくなってくることが予想されます。

そうなると、規制の内容だけでなく、現在の法規制の作成・施行よりも迅速に現状に合わせたルール作りを行う仕組みも必要となって来るかと思います。

行政だけでなく、民間企業や団体の規格・業界ルールなどにも目配りが必要となってきますね。

インフルエンサーやキュレーターという「知的資産」

今回の記事だけでなく、すでにSNSやネット上のインフルエンサーやキュレーターが消費者やユーザーに与える影響力は大きなものがありますが、

こういった、従来とは異なる影響力を持った人々お金を払うという形以外で、自社のファンや理解者になってもらい、エバンジュリスト(伝道者)となっていただければ、大変心強いですね。

これは、知的資産経営でいえば、関係資産であるとともに、人的なつながりで得た場合は、そのような人脈を持っている社内の方は人的資産と言えるかと思います。

今後、従来の取引先などだけでなく、SNSなどで影響力を持つ人達を活用すること、またこういった人たちに批判されるリスクも考慮して、情報発信やコンプライアンス面で注意を払うことがますます重要となってきているものと考える次第です。

 

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