世界経済フォーラムのAIによる代替予測にみる広い視野の重要性

人工知能 競合 代替

● 2025年までにAIと人間の「仕事量」が逆転、WEF予測 

2018/9/19のMIT Technology Reviewに表記の記事が掲載されていました。

Machines will do more work than humans by 2025, says the WEF

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

『世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)による人工知能(AI)と仕事に関する最新の予測によれば、今後10年も経たないうちに、職場の仕事(タスク)のほとんどは人間ではなく機械が実行するようになるという。

WEFの「仕事の未来2018(Future of Jobs 2018)」という報告書によると、人間は現在、仕事全体の約71%を担当している。だが、今後7年間で負担は急速にシフトしていくという。この数値は、人事部門の責任者と企業戦略の専門家を対象に実施した調査から推定したものだ。

さらに、報告書の予測によると、機械学習とデジタル自動化の進歩により、2025年までに7500万件の雇用が失われるという。一方で、新たな役割が1億3300万件ほど創出される可能性にも言及している。デザインやプログラミング作業、クリティカル・シンキング(批判的思考)、社会的知性を必要とする仕事は、自動化の波が押し寄せてきても存続しやすいと、WEFの報告書は述べている。』

と、AIにより、現在の人間が行っている仕事のほとんどは機械化されるということと、一方で、新たな仕事がそれ以上に生まれていくこと、また人に依存する仕事の例として、デザインやプログラミング作業、クリティカル・シンキング(批判的思考)、社会的知性を必要とする仕事を挙げています。

 

● 枠組みが変わる仕事、変わらない仕事

「AIによる契約作成サービスにみる知恵の流れとプロセス」
の中で、AIにより消える職業というテーマについては、
「職業」というくくりではなく、
「仕事」、「プロセス」というくくりで、技術面と主に感性に根ざすニーズ面から何はAI・ICTで代替していくべきか、何は人が担当するべきものかという視点で見る必要があることをお話しましたが、

今回の記事からは、単に高度なスキルというよりも、人間の感性や社会課題への対応のような種々の要素が関係し、しかも各要素の重みが変化する複雑な分野ほど人の仕事は代替されにくいということが言えるかと思います。

これは、いわゆるフレーム(枠組み)問題に近い話ですね。
フレーム問題byウィキペディア

● フレームワークを使う、作る

AIはまだ、設定された問題の枠組みの中でしか課題を解決できず、また、アルファ碁のようなゲームでは既に人を凌駕していますが、株式取引のように、ゲームのルール(市場の規制)や売り買いを判断するルール自体が変わっていく問題には中々対応できないという面があります。

つまり、課題設定やルールの策定というところでは、人の価値観が入ってくるため、AIでは代替が難しいということになります。

企業においても、個人においても、このように課題設定などにより自分の提供価値を置くことが、今後求められていくことが予想されます。

その一つの方法として、知的資産経営などのフレームワークを利用しながら、より幅広いつながり、ネットワークの中で事業・仕事を展開していくこと、さらにそのフレームワーク自体を改善・改革していくことも意識しておく価値があるものと考える次第です。

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