ライブスポーツの復活時における各企業の影響にみる、オンラインビジネスのリアルとの併用や知的資産のポートフォリオ戦略の重要性

【今日のポイント】

新型コロナは、いぜん収束に兆しを見せませんが、その中でもライブスポーツは対応しつつ、活動を再開しています。

その活動が他の業界に与える影響などからも、今後の事業ポートフォリオにおいてリアルとオンラインの併用、コンテンツや知的財産などの知的資産の比重が高まっていることが窺えると考える次第です。

 

● NBAとNBPA、シーズン再開に向けた包括的プランを完成
2020/6/27にNBA JAPANは表記の記事を公表しました。

(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『NBAとNBPAは本日、7月30日(同31日)からの2019-20シーズン再開に向けた包括プランが完成したことを発表します。

プランには厳格な健康・安全プロトコルや、フロリダ州ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートでの1か所開催、構造的人種差別との闘いや社会正義促進のための集団的活動の目標などを含みます。』

上記のような、ライブスポーツ再開の動きが、TVやストリーミングサービスに及ぼす影響については、2020/7/29の1日5分ビジネス英語でも、

『スポーツ中継、テレビに戻る Live sports returns to TV』
との題で取り上げています。

ライブスポーツの復活により、ディズニーなどは利益を得る反面、スポーツ放送に押されてストリーミングサービスを手掛けるネットフィリックスなどには悪影響が出ることが予想されるとのこと。

ここでも、業界や企業により新型コロナの影響は大きく異なることが窺えます。

 

● オンラインビジネスのリアルとの併用やコンテンツのポートフォリオ戦略の重要性

先日の、本ブログトピックス『ウーバーの食品配達サービス企業買収にみる、「自社のビジネスを上位概念で定義する」必要性の高まり』

で取り上げたウーバー、ライザップと同じ様に、今回の記事からは、

「オンラインビジネスのリアルとの併用やコンテンツのポートフォリオ戦略の重要性が高まっている」ことが窺えるかと思います。

 

ディズニーなどは、放映権の料金を払い続けていたようですが、
スポーツのストリーミングサービスのDAZNは、試合中断の放映権料支払いを拒否したと2020/4/1にロイターが報じています。

『DAZN、新型コロナで試合中断中は放映権料支払い拒否か』

英国の有料放送局スカイも、サッカーのイングランド・プレミアリーグを含む大規模スポーツイベントの主催団体から数億ポンドに及ぶ放映権料の払い戻しを受けられる見通しとなったと2020/6/18の日経電子版が報じています。

『[FT]英スカイ スポーツ放映権料払い戻しに道筋』

ディズニーが放映料を払い続けられたのは、リアルも含む幅広い事業ポートフォリオを組んでいたからではないかと思いますが、

新型コロナの第2波、第3波や、既存放送局とストリーミングサービス、アマゾンのような新規参入社など、スポーツに限らず、エンターテイメント分野で、リアルとオンラインの組み合わせやコンテンツ自身のポートフォリオ戦略とその見直しの体制が重要性を増していることが窺えるかと思います。

また、放映権という「権利」や以下のファーウェイが5Gの通信規格などで影響力を保っているという記事からは、知的財産権などの無形資産の重要性も増していると改めて感じます。

『米、ファーウェイと議論容認 5Gの基準作りで』
2020/6/16の日本経済新聞。

『ファーウェイ排除後も「知的貢献」消えず-5Gで特許料支払い発生』
2020/6/9のBloombergの記事。

自社の事業ポートフォリオの今後の方針について、オンラインとリアルの併用、知的財産やコンテンツなどの知的資産の活用の視点から、検討してみることは非常に重要となっていると考える次第です。

なお、オンラインとリアルの併用の検討については、先日のトピックス

『日本の防災新幹線にみる、弱みを強みに変えるためのトライ・アンド・エラーの重要性』
でもご提案した様に、経営デザインシートの現在と将来の間に、「新型コロナ対応」をもう1段階入れて、過渡期の対応を明確にしておく事も、実務への落とし込みの上で有効な方法かと考える次第です。

 

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