バイエルとモンサントの農薬問題にみる時代の潮流と事業リスクを考えるヒント>ライフサイクルの短縮化による複合汚染の複雑化とトレーサビリティ技術や予測技術のニーズの増大

グリホサート 除草剤

【今日のポイント】

モンサントの除草剤で問題視されている中長期の潜伏期間を経て顕在化する発がんリスク。
さらに、商品・サービスのライフサイクルが短くなる中で、使用する製品が時系列で変化していき、さらにスマートフォンのブルーライトなど食品・物質以外の健康リスクも出現しています。

このような、「時系列での複合汚染」とも呼ぶべき状況の中で、AI・IoTによるトレーサビリティ技術や統合的リスクマネジメント、リスク予測技術のニーズが高まっていき、そこには事業リスクとともにビジネスチャンスも見つけられるのではないかと考える次第です。

● モンサントの除草剤、がんの原因に

2019/4/9の1日5分ビジネス英語に表記のトピックスが掲載されていました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『農業バイオ技術分野大手のバイエルとモンサントは、ラウンドアップと呼ばれる非常に普及している除草剤を持っている。しかし、この製品は現在健康上のリスクのために、多くの法律問題に直面している。
(中略)
モンサントはその製品を1970年代に開発した。それ以来、広く使用されている。

しかし、調査によると、ラウンドアップに常に接触していると、非ホジキンリンパ腫を引き起こす可能性があるという。

実際に、多くの都市や国はラウンドアップの原料であるグリホサートの使用を停止した』

日本でもアマゾンなどで販売されている除草剤「ラウンドアップ」。かなり普及しているようですが、その発がん性が問題となっているようですね。

米国では、20年間使い続けた利用者が、非ホジキンリンパ腫にかかったと訴えて勝訴し、多額の賠償金の支払い命令を企業側が受けたとも同トピックスや以下の記事では語っているので、企業リスクとしてもかなり深刻なものと感じます。

「モンサントの除草剤、がん発生の「事実上の要因」 米で陪審評決」

2019/3/20 AFP BB News

● 時系列での複合汚染

今回の記事からは、「時系列での複合汚染の進展とトレーサビリティ・予測ニーズの増大」が予想できるかと思います。

有吉佐和子さんの「複合汚染」は、同時に発生している汚染の相互作用の恐ろしさとその把握の難しさを語っていますが、

今回のような長期使用によって発生する被害や、使用期間は短期でも長期の潜伏期間後に発生する被害の場合、商品のライフサイクルが短期化して、多種多様な商品・サービスを使用する時代には、「時系列での複合汚染」が進むことが想定されます。

また、農薬のような物質だけでなく、スマートフォンのブルーライトが人体に与える影響SNSが心理面に与える影響など、人や社会の安全に与える影響の原因と形態も多様化し、かつ短いライフサイクルで入れ替わっています。

このように、多種多様な要因が時系列的に入れ代わり立ち代わり人体に影響を与えることで発生する健康上のリスクは、かなりその評価や予測が困難であることが想像できます。

● トレーサビリティ技術、リスク予測技術、リスクマネジメント手法の進展への期待

このようなに、プレーヤーの数も含めて複雑に影響が絡みあう時代のリスクに対しては、やはり、技術面での対応も重要になってくるものと考えています。

「バリューチェーンの中で、「集中型と分散型の共存」を考える」の中でお話した、
バリューチェーンの中に混在する集中型と分散型の各フェーズの中で、トレーサビリティ技術による商品・サービスの流れの可視化・見える化や、

「ルーベンスの壁画発見に思う「トレーサビリティ」と「アカウンタビリティ(説明責任)」におけるニーズとシーズの相乗関係」でお伝えしたように、自社が関わるモノ、情報の流れを把握・記録しておく「トレーサビリティ」は、説明責任(アカウンタビリティ)やCSR、リスクマネジメントにおいてますます重要になって来ています。

そして、
「オプティムの農林水産・流通加工・食品産業向けAI・IoT・Robotプラットフォームにみるトレーサビリティ市場の広がり」でお伝えした、AI・IoTを活用したトレーサビリティ技術・サービスの進展や、

「iPS医療に考える全体観を持ったリスクマネジメントの重要性と健康経営」

「AI・IoT時代のリスク対策を考えるヒント>統合的なプロジェクトマネジメントの視点」でお伝えした、複雑な事象を統合的に扱うリスクマネジメント手法と商品・サービス同士の相互作用などの予測技術を発展させて、上記のトレーサビリティ技術と組み合わせることで、リスクの顕在化の予防と、トラブル発生時の対応の迅速化を図るニーズが更に高まるとともに、そのニーズに応える技術開発が進み、そこに新たなビジネスチャンスも生まれる可能性がるものと考える次第です。

 

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