物流テックの導入に考える、先行例活用時の需給バランスの視点

【今日のポイント】

物流業界において、人手不足の解消等に最新技術を活かす「物流テック」を手掛けるスタートアップが増えています。

これらの課題解決を、物流サービスの提供側だけでなくユーザー側との需給バランスの改善という視点から検討することも必要であり、これは物流に限らず多くの分野に共通することから、他業界から課題解決のヒントを得る際の有効な視点としても活用をお勧めする次第です。

物流×テック、省人化競う ロボ・クラウド応用の好機: 日本経済新聞

2020/1/6の日経新聞に表記の記事が掲載されていました。

(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『物流にIT(情報技術)など最新技術を生かす「物流テック」のスタートアップ企業が増えている。
最大の狙いは省人化で、商品の受発注から在庫管理までビジネスの対象は幅広い。
ロボットやクラウドの技術を活用する好機ととらえて参入し、物流インフラの生産性向上をけん引しつつある。
存在感の高まる国内スタートアップ20社を取り上げる。

物流テックの技術・サービスは大きく3つに分けられる。
(1)ロボットやドローン
(2)クラウドや人工知能(AI
(3)ドライバーや車両のシェアリングだ。
物流は人手不足など課題が多く、技術応用の舞台となっている。』

物流や介護などの分野は、人手不足対応の先行例になり得ますが、その際には、輸送や被介護者などの需要側の動向とのバランスも併せて見ていく必要がありますね。

 

業界の周辺まで視野を広げて需給バランスを見る

以下のトピックスなどで介護をテーマに、「支援する人を支援する」とサービス等で価値を提供する対象について、視野を広げて、支援の全体像から検討する必要性についてお話ししましたが、

AIIoT活用の介護施設にみる生産性向上のポイント>大きく考えて小さく絞る』

RPA、介護ロボットにみる「支援する相手の周り」を考える重要性』

この「需給バランス」という視点で、対象としている業界のバリューチェーン全体を見る事は、検討しているビジネスの事業性や収益性の評価だけでなく、事業課題の解決策や事業機会の発見にも活用できるかと思います。

 

先行事例活用時の視点としての需給バランス

そして、この方法は、他社や他の業界から、自社や業界の課題解決について先行事例やヒントを探すときにも使えるかと思います。

例えば、省エネルギーやCO2削減の分野を見ると、

再生可能エネルギーの導入が進められており、その対策に有効なツールとして、再生可能エネルギーと蓄電池の組み合わせが注目されていますが、

蓄電池は、蓄電能力や寿命面、リサイクル等の技術開発が進むことで今後もその重要性は増加していきますが、資源面も含めて普及面の課題は大きいかと思います。

こういった中で、VPP(バーチャルパワープラント)やDR(ディマンドリスポンス)などユーザー(需要家)側での対応の重要性が高まり、

そこにスマートメーターやスマートハウス関連のAI・IoTやIcT技術が導入されて、行くとともに、需要と供給双方の短時間の需給調整から、中長期のエネルギー資源確保、また、産業構造が変わる際の影響への対応までを見据えた対策を取るためのシミュレーション等の技術も進んで行くものと予想されます。

このように、他産業の先行事例を見るときも、「需給バランス」という視点から参考となる事例を探すことは、有望な手法としてお勧めする次第です。

 

 

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