不動産テック(プロップテック)に考える、「〇〇テック」の造語の効用と注意点

【今日のポイント】

不動産業界へのAIICT導入が、「プロップテック」と呼ばれ注目されています。

リーガルテックやフィンテック同様に、「〇〇テック」という言葉は今後各分野で注目のキーワードとなることが予想されますが、それだけに、第三者がその用語の権利を持っていないかの確認も必要性が高まっていると考える次第です。

【目次】
1.プロップテックの話題
2.「〇〇テック」という言葉自体が需要と供給を活性化させる
3.サービスや商品の名称を幅広く考え、権利化する必要性が高まる

1.プロップテックの話題

『不動産業者間サイト「ITANDI BB」顧客管理・物件提案機能を搭載、空室情報を即時自動回答』

2021/4/6にテクノロジーで不動産の賃貸取引をなめらかにするイタンジ株式会社は表記のプレスリリースを公表しました。

(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『入居希望者に対する物件情報の直接提案と、入居希望者の問い合わせに対する空室情報の即時自動回答が可能になります。

また、あわせて「入居希望者へ物件情報を直接提案」という機能も誕生し、これに伴い、一部機能の無料開放も実施いたします。』

⇒不動産業へのICTAIの導入はプロップテックとの名称で注目されていますが、その事例の一つとして興味深く感じました。

プロップテック(不動産テック)については、以下のような定義が一般社団法人 不動産テック協会のサイトに掲載されています。
『不動産テック(Prop TechReTechReal Estate Techとも呼ぶ)とは、不動産×テクノロジーの略であり、テクノロジーの力によって、不動産に関わる業界課題や従来の商習慣を変えようとする価値や仕組みのこと。』

同サイトには、不動産テックのカオスマップも掲載されています。

このカオスマップを見ると、多くの分野にまたがって、複数の技術と企業が参入しており、今後の影響力の大きさが窺われるかと思います。

また、不動産事業へのAIICTの導入は、不動産の流動化などに大きな影響を与えるとともに、プロップテック自体の市場も広げていくことが予想されるため、AIICTなどの新技術導入の影響事例として、今後も要注目と考える次第です。

2.「〇〇テック」という言葉自体が需要と供給を活性化させる可能性

フィンテックやプロップテックへの注目や、これらのサービスを提供する企業の展開などを見ていくと「〇〇テック」という言葉自体が需要と供給を活性化させる」という側面も見えてくるかと思います。

プロップテックは、リーガルテックとフィンテックの組み合わせを不動産業界に適用したものとの印象を受けています。

AIIoTなどの共通のシーズ技術の適用先を広げる際に自社に関係する言葉とテックを組み合わせる事でイメージも湧きやすくなり、価値を訴求し易くなると思います。

例えば「DOCUTECH」(ドキュテック)と言う言葉(アメリカ合衆国 ゼロツクス コポレシヨンの登録商標。登録番号:第2574688号)がありますが、

例えば、以下の記事のような文書管理システムを上記のような名称を付けて提案するという事も考えられるかと思います(「DOCUTECH」(ドキュテック)自体はゼロックス社の商標ですので、他者はこの言葉、あるいは類似の言葉を、同商標と同じ分野や類似の分野では、商標の使い方では使えないので注意が必要です)。

また、電子契約の分野でも「スマートコントラクト」や前述の「リーガルテック」などの言葉は今後も重要なキーワードとなるものと考えております。

『社内すべての契約書をまるっと管理!電子契約サービスの概念を広げる「マネーフォワード クラウド契約」提供へ

2021/3/5の株式会社マネーフォワードのプレスリリース。
『『マネーフォワード クラウド契約』は、契約のワークフロー申請から契約締結・保管をクラウド管理できる電子契約サービスです。紙の契約書を発行する際に必要な印刷・製本・押印・郵送などの手間や時間、コストを削減できます。紙の契約と電子契約の一元管理が可能で、契約管理の業務効率化を実現します。』

⇒契約業務のトータルソリューション提供が電子契約を機会に広がっている様子が窺えます。

また、同プレスリリースでは、本サービスは中堅企業向けバックオフィス統合ソリューションのサービスラインナップに加わると記載されており、

契約業務のトータルソリューション化の次は、契約前後の活動との連携支援が進むと考えていますが、

この様な新しいサービスの名称として「〇〇テック」という名称を他者よりもいち早く考え、権利化してマーケティングに活用する事は、市場の活性化にも繋がるものと考える次第です。

3.サービスや商品の名称を幅広く考え、権利化する必要性が高まる

上記の「〇〇テック」だけで無くSaaS MaaS などの「〇aaS」など、AI活用やサービス化のような大きな流れを取り入れた名称はこれからも増えていくものと感じます。

そして、個別のサービスだけでなく、それらを包含するサービス名称も重要になってきます。

以下のトピックスでもお話しましたように、自社のサービスの価値を顧客に訴求する名称を考え、商標などの知的財産権で保護することは今までも行われていますが、今後自社の事業の範囲の拡大や分野の変化等も含めて検討し、幅広く考え、権利化する必要性が高まるものと考える次第です。

『先んずれば「名前」を制す』

サービスや商品のタイトルは、どの企業でも大変重要視して、商標などで保護することもかなり意識されるようになってきましたが、

ネットマーケティング(SEO対策)の点でも、固有名詞、それも一般名称に近い名前を使えれば、かなり有利になると同時に、
自社で考えたタイトルが既に使われていないかということを、他者の商標情報などで確認することがリスクマネジメントの面からは重要となります。

特許庁の無料データベースである「特許情報プラットフォーム」「商標の称呼検索」で、自社で考えているサービスや商品の名称を入れて同じ、あるいは似たような名称がないか見てみることは、弁理士などの専門家に相談する際の準備としても、新規名称のアイデアのヒントを得られるという点からも一度試してみることをお勧めする次第です。

特許情報プラットフォームはこちら

商標の称呼検索はこちら

『欧州でのビッグマックの商標権喪失にみる、知財活用時のリスクと対応方法のポイント』

特許だけでなく、商標も自社のブランド構築だけでなく、市場への参入障壁として有効活用したいもの。

ただし、知的財産権を第三者に権利行使する際には、相手からその権利は無効だとの反撃を受けることも多いので、事前の準備が欠かせないため、専門家にも相談しつつ、慎重に進めることが必要と考える次第です。

『バットマンの原作コミックと鬼滅の刃にみる、リアル商品の価値の高め方のヒント』

1939年発売のバッドマンコミックの高値落札の記事や、昨年の「鬼滅の刃」の大ヒットからは、ネットも利用したコンテンツの提供方法の多様化が、オリジナル(原作)の価値も高めて行く様子が窺えます。

自社のコンテンツをデジタル化して、SNSなどで繰り返し発信することは、リアルの商品を扱う企業においても必要となっていますが、

その際には、自社のビジョンともマッチする一貫したメッセージを顧客や社会に伝えるために、自社の提供価値とビジョンの関係を将来像を含めて可視化できる、経営デザインシートや知的資産経営報告書の活用も検討をお勧めする次第です。

 

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