ジャックリスト社の「スマホ専用サイトの無料開設サービス」の狙いとは？

●　ジャックリスト社はスマホ専用サイトを無料で開設するサービスの提供を開始

韓国ＩＴ企業の関連会社「ジャックリスト」は、企業がスマートフォン専用サイトを開設するのを無料で支援するサービスの提供を開始しました。
http://freeplan.jacklist.jp/?doc=sub_01_01

このサービスは、個人や中小企業（おそらくはB2Cの小規模企業）を対象に、写真1枚で制作を引き受け、５つのデザインと必要最小限の機能に絞ってサイト開設者が選びやすいサービスに仕立てています。

また、無償のメンテンスサービスに加えて有料オプションも用意しているところは、フロントエンド商品とバックエンド商品のラインアップとも言えますね。

このサービスを採り上げた毎日新聞の記事には、ジャックリスト社は、店舗や特定の地点に出入りした人数を把握し、収集したビッグデータを分析するサービスも提供しており、今回のサービス開始における同社社長のコメントとして、「「将来的には中小企業のマーケティングを支援するプラットフォーム構築を目指したい」と話している。」と記載しています。
https://mainichi.jp/articles/20170701/k00/00m/020/053000c

●　「無料だからこそシンプル」の利点と巧妙な自社のアピール

ジャックリストは、中小企業のマーケティング支援のプラットフォームの構築という中長期的な目標を達成するうえで、ターゲットとなる顧客（エンドユーザーを相手にする店舗系の小規模事業者）の困りごとの中でも「スマホ用のHPを作るのも難しいし面倒」という点にフォーカスして、大変シンプルなサービスを提供しています。

無料で提供できる位にシンプルであることが、お客様である店舗系事業者にとってもとっつきやすいというメリットを提供しているという点において、今回のスマホ専用サイト開設支援は、ジャックリストとお客様双方にとってWin-Winなサービスになっていると思います。

更に、お客様のサイトのフッターに、さり気なく自社のロゴを入れているところは、お客様のサイトを自社のアピールとプロモーションに活用するという点でも巧妙だと感じました。

●　「インテルインサイト」戦略＋顧客データの収集によるプラットフォーム構築
本来は裏方の企業が自社のロゴなどを入れてその存在をアピールするのは、かの「インテルインサイト」と同様に、お客様が増えるほど効果が出る手法ですが、更にアクセス解析などの定常的なサービスで顧客との関係を維持しつつ、有料サービスを提供したり、顧客のアクセスデータを扱うことで、中長期の目標（プラットフォームビジネス）に必要な知的資産（自社のマーケティング支援能力）を構築・強化することも想定していることが伺われます。

●　自社のお客様の困り事に刺さる「シンプルな解決策」を考える

ジャックリストの無料サービスは、IoTによるビッグデータを扱えるという自社の強みを活かすべく、お客様の困り事に刺さるシンプルなだけに採用されやすいサービスを提供し、自社ビジネスの拡大につなげようとしている事例と言えますね。

複雑で多機能なサービスではなく、「シンプルで分かり易いサービス」を無料で提供することで、自社もコストをかけずに見込み客を取り込むとともに、フッターにさり気なく自社のロゴを入れるような仕掛けで、お客のサイトなどのマーケティングツールを使って自社をアピールする）。

さらにアクセス解析の提供のような売り切りでなく顧客と繋がりを維持することで、有料サービスにつなげたり、顧客のアクセスデータを活用して自社のマーケティング力向上を図るなど、将来のプラットフォーム構築構想につなげていくという方法は極めて戦略的だと思います。

このように、自社の知的資産、強みを使いつつ、無料での提要が可能な範囲までお客様の困り事＝ニーズを絞り込み、バックエンド商品だけでなく、お客様が自社サービスを使っていること自体を自社のアピールと自社の知的資産の強化につなげる仕掛けを作っていくことは、他の業界でも有効な戦略だと思います。

「まず、自社の知的資産の洗い出しと、その強みを洗い出すことで、現在提供できる、「シンプルで分かり易い無料サービス」を用意する事が必要ですね。

そして、将来構築したいプラットフォームの見込み客を具体的に想定することで、無料サービス内でPRすべき自社の強みや顧客への提供価値をアピールする方法を検討して組み込んでおくステップに移ります。

このようにして、将来目指すプラットフォームを構築する段階および運営・拡大する段階で必要な提携先を関係資産として確保していくことになります。

あなたのお客様には、どんな「シンプルで分かり易い」無料の解決策が提供出来るでしょうか？

詳細をお知りになりたい方は、以下のフォームから、

メッセージ本文に
１．貴社の業種、事業内容（貴社のＨＰのＵＲＬでも結構です）
２．貴社の従業員数（～１０名、１１～５０名、５１名以上）
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をご記入いただければ、簡単にではありますが、貴社のお役に立てる内容を、
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