提携事業関係マネジメントシステム国際規格にみるエコシステム構築競争

国内初!BSIジャパン、株式会社コーニッシュにISO 44001(提携事業関係マネジメントシステム)を認証

2018/11/27BSIグループジャパン株式会社は表記のリリースを公表しました。

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

BSIグループジャパン株式会社(東京都港区 代表取締役社長 根本 英雄、以下 BSIジャパン)は、株式会社コーニッシュ(大阪府大阪市中央区 代表取締役 今村 聖三)に対し、日本国内で初めてISO 44001(提携事業関係マネジメントシステム)を認証いたしました。(認証登録日:2018108日)

(中略)

近年、業務部門間の単一部門やコンソーシアム、合弁事業など、組織の関係性はますます複雑化しています。

ISO 44001は、民間および公的機関含む、様々な組織協力的なアプローチに基づいて、相互に効果的かつ競争的なビジネス関係を構築し、発展させるための国際規格です。

大規模な多国籍企業や政府機関、非営利団体、中小企業などあらゆる規模の民間および公的機関に適用され、業務部門間の単一部門や、コンソーシアムや合弁事業などのより複雑な関係に焦点を合わせ、様々なレベルの提携事業関係効果的に管理することができます。

と、事業提携において、関係する組織の様々なレベルで行われる提携関係を効果的にマネジメントするための国際規格であるISO44001について国内初の認証が降りたことを伝えています。

ISO 44001(提携事業関係マネジメントシステム)の詳細説明も同社のwebサイトに掲載されています。

事業提携における課題とニーズ

この認証を取得する側のニーズである、事業提携における課題について、今回の認証取得企業である株式会社コーニッシュ代表取締役の今村 聖三氏は、以下のように、事業の多角化において、各事業で蓄積された人的資源やノウハウがその事業内に留まってしまい、他の事業に有効活用することが難しいという点を挙げています。

収益不動産の売買を中心に成長してきた当社は、再来年に創業30年を迎えます。この間に、ストックした優良不動産をベースに、賃貸事業、分譲事業、ホテル事業、温浴事業及び不動産のPBM事業など、収益事業の多角的に取り組んできました。これまでは、それぞれの収益事業の運営を軌道に乗せることに注力してきましたが、各事業で育てた人的資源・ノウハウ等が、各々の事業に固定化し、有効に活用されない傾向がありました。』

このように、他社との事業提携だけでなく、自社の中に複数の事業部門を持つ場合にも利用できるマネジメントシステムであることが窺えます。

規格と標準化によるエコシステム構築

今回のISO44001は、ベースは英国規格であり、そのISO化の一つの事例です。

英国は自国の規格を国際規格化することに長けており、今回もその一例と言うことができるかと思います。

自国発の規格を世界標準にというのは、欧州が得意な国際競争での戦略ですが、

AIIoTでも同様の戦略の可能性があることを、先日2018/11/28BBLセミナーの講師馬奈木 俊介氏 も述べられていました。

今回のマネジメントシステムの規格化・標準化は事業提携に関わるものだけに、エコシステム構築における競争の一端と見ることもできるかと思います。

日本としては、こういった規格に乗るか、敢えてガラパゴス化で独自性を出すのかを問われる場面が今後も増えて来るのではないかと予想しています。

マネジメントシステム規格を取得せずとも利用してみる

この事業提携マネジメントシステム規格の有効性はまだ未知数の部分もあるかと思いますが、

規格にはその規格の適合条件が記載されているので、規格の取得は行わずとも、記載されているマネジメント手法と適合条件などは、チェックリストとしても使える可能性があるかと思います。

知的資産経営の視点からも、事業提携促進という関係資産の構築自社の部門横断的なマネジメントの仕組みという構造資産の確保の両面から、この様なマネジメント規格の動向にもアンテナを張ることは有効ではないかと考える次第です。

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