感覚をもつ人工皮膚の開発にみる、技能伝承など知的資産の取得・利用の変革の可能性

【今日のポイント】

触覚を再現する人工皮膚の開発が進んでいますが、このような感覚技術は、オンライン技術と組み合わせることで、活用先が大きく広がることが予想出来ます。

この技術分野の動向は、知的資産経営においても、今後の技能伝承や、社内外の人材活用などを検討する際に考慮すべき要素として、ウォッチしておくことをお勧めする次第です。

 

● 触覚を持つ人工皮膚の開発

上記の人工皮膚の開発が、2020/8/21の1日5分ビジネス英語で取り上げられていました。

『感じることが出来る人工皮膚』

この「触覚や痛覚をもつ皮膚やセンサー」の開発は、以前より日本も含めて行われていますが、医療も含めて多くの分野で実用化が望まれている事が窺われます。

『タッチ感じる人工皮膚、米大学が開発』

2010/9/13のITmediaNEWSの記事。

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1009/13/news070.html

 

五感のオンライン化が進み、学習・エンターテイメント・技能伝承の提供範囲や対象を拡大していく

上記の一連の記事からは、「五感のオンライン化が進み、学習・エンターテイメント・技能伝承の提供範囲や対象を拡大していく」ことが予想できるかと思います。

 

今回の感覚を持った人工皮膚は、人体の皮膚と感覚を代替することを想定していますが、感覚を電気信号に変換できれば、それをオンライン化し、遠隔で感じることも可能になってきます。

ロボットによる遠隔操作では、かなり昔から触覚の伝達技術の開発が進められていましたが、

横河電機株式会社のセンサー及びそのワイヤレス化技術など、人間に視覚・聴覚以外の感覚を伝える技術開発も進められています。

川崎重工業株式会社などは、人間が感触(触感)を使って行っている作業をAIを利用して加速度等の他の物理現象に置き換えて分析し、技能伝承に利用しようとしています。

また、陶芸などでも技能伝承において触覚の再現の研究開発が進められています。

これら産業用や芸術の分野と今回の医療用の分野や、

以前の本ブログトピックス『仮想美術館にみる、デジタル化によるリアルの価値の再評価』でご紹介した、美術館や博物館におけるバーチャル技術活用の取組事例や、

eスポーツの普及問題にみる知財を使ったマネタイズとコミュニティ作りの方法のヒント』等でも取り上げたeスポーツなどのエンターテイメントの分野、

そして、多くの企業が進めているオンライン教育などの分野それぞれが進めている仮想現実の技術や五感のセンシング技術が相互に転用されつつ、更に開発が進められ、身障者の支援、技能伝承や人材不足解消などの従来の課題解決に加えて、新しい用途も生まれるものと期待を込めて予想する次第です。

 

自社の知的資産のデジタル化、他社の知的資産のオンラインでの取得や自社の知的資産の提供のオンライン化を考える

上記のような技術を用いることで、自社の社内の人的資産(ベテランの経験や知見など)をより効率よく、自社の構造資産(共有の知見や仕組み・システムへの変換)とすることも可能となってきます。

 

特に新型コロナでテレワークなど対面でのコミュニケーションが困難になってくると、オンラインでの技能伝承が必要な場面も増えてくることが予想されます。

 

更に、上記のような五感のデジタル化・アーカイブ化が進むと、「人材バンク」など人が持つ知見・経験やスキルの流通の在り方も、その人自身が対応するだけでなく、その人が持つ「スキル」のアーカイブをコンテンツとして提供する方法・ビジネスやプラットフォームが生まれる可能性も感じます。

 

そうなれば、社外の人的資産のスキルを自社に取り込んで人材育成や構造資産化に利用したり、

逆に自社の人的資産を他社に利用してもらうなど、知的資産の取得、利用、提供の方法にも大きな影響を及ぼしたりする可能性があるため、

この分野の動向は今後もアンテナを張って見ていく必要があるものと考える次第です。

 

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