石炭火力の活用検討にみる、自社商品の弱みの解消法

【今日のポイント】

CO2排出源や環境汚染源として風当たりの強い石炭火力。
その石炭を利用した循環型社会構築の試みが始まっています。

このように、自社や業界のバリューチェーンを超えて大きな枠組みで自社事業の位置づけを見直すことで、自社が現在抱える弱みを逆に必要とする市場の発見などにも繋げられるものと考える次第です。

● Coal to Sustainable Society 石炭利用で創る循環型社会

先日の日経ビジネス電子版 Specialに表記の記事が掲載されていました。

(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『石炭を発電では無く化学品の原料として使う。

中国陝西省・楡林市は、2025年までに総額5,000億人民元を投じる巨大な石炭化学コンビナートを擁する工業園区の建設に着手した。

毎年、2,000億人民元のGDPを生み出すこのプロジェクトは、単に化学品を生産するだけではなく、そのプロセスで副生成物として得られる水素を、新たに工業園区に隣接させてこれから作る人が生活する街区のエネルギーとして利用する。』

環境問題から発電の燃料としては風当たりの強い石炭の有効活用を模索する中国でのプロジェクト。

同記事では、日経BP総研がまとめた「石炭利用で作る循環型社会」の全体像も掲載しています。

https://special.nikkeibp.co.jp/atclh/ONB/19/yurin/img_01.png

エネルギーや資源問題は、グローバルかつ他の産業との連携も含めて総合的な理解と検討が必要なことを改めて感じます。

フードロス対策にみる弱みの克服

上記のように、CO2や環境汚染という面で弱みを持つ石炭の活用例は、自社の商品の持つ弱みを逆に強みに変える検討のヒントにもなるかと思います。

『「恵方巻き」とフードロス(食品廃棄)から考えるビジネスチャンス』
でご紹介した、最寄りの店やレストランによる余った食品の投げ売りを知らせる、goMktと呼ばれる新しいiPhoneアプリなども、賞味期限が短いというサプライヤー側の弱みを、「期間限定、低価格」という形でユーザーとのマッチングを図り、強みに変えるビジネスと捉えることもできるかと思います。

また、フードロス問題関連ビジネスにみる社会課題における「ユーザーメリット」の見つけ方』
でもご紹介した様に、

ユーザーが自社の商品やサービス、あるいはそれを使うシーンの周りで現在感じている不便や無駄を削減することで、ユーザーメリットを出しながら、

結果的に社会課題の解決にも繋げるという方向性として、資源の効率化、利便性向上、生産性向上といった切り口から社会課題に関するビジネスチャンスを見つけていくということは、自社の弱みの克服方法の一つとして検討の価値があるかと思います。

自社の商品の弱みを社会全体での枠組み・拡大したバリューチェーンの中で捉え直す

また、自社の商品と顧客だけに注目していると、なかなか弱みの解決は難しいかと思いますが、

『鉱物資源の記事に想う、「全体像把握の重要性」』
『アップルのコバルト鉱山との直接取引にみる異業種の影響』
でもお伝えしたように 自社に関係する資源など、事業環境の全体像を異業種を含めて掴むことで、自社の弱みを逆に必要とする新しい市場や提携先なども見えてくるかと思います。

また、

『シェアキッチンの解説記事にみる「ニーズ分解」による具体的打ち手の検討方法』
でお伝えした、顧客や自社のニーズをTPOや利用・提供プロセスごとに分解して、同じニーズを集約しつつ、個別に他業種とのマッチングを考えることで、具体的な打ち手が見えてくるかと考える次第です。

 

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